同調圧力に困る女子

内向的な人へ 年代別考察

女子の同調圧力とリア充至上主義

「厚めの前髪ぱっつんって流行んないでしょ」

「ベージュのカーデ欲しいよね」

「ガオラ―って言葉知らないのヤバくない?」

 

一軍に限らず、女子を取り巻く環境は常に集団と共にあります。

みんなが自然と価値観を共有できるステキなグループもあれば、そうでないグループもあるでしょう。

当記事は、女子の同調圧力について年代別に紹介していき、群れの中でのヒエラルキーとマスメディアの影響力を考察します。

同調圧力は何も女子だけの特権ではないので、男子の方もよかったらお付き合いください。

当記事に女性を蔑視する意図はありません。

女子の同調圧力は共感の輪の中に潜む

たとえば4〜6人くらいの女子グループがおしゃべりをしているとします。

場の主導権を握っている人が何かしゃべると…

「うんうん、だよね」

共感の輪が広がります。

 

学生でも社会人でも本質はあまり変わりません。

話題に共感するというのは、暗黙のルールとなり、場の空気を支配します。

「それは違うんじゃないかなー」

と、思っていても基本的には口に出せません。

なぜなら共感の輪を乱すことはグループの和を乱してしまう行為だからです。

「だよねー」

何気なく使っているこの言葉の裏には、グループ内の共感のパス回しの役割があります。

「でもさぁ…」

 

もちろん会話の流れで否定的なコトバが出ることもあるでしょう。

でも…この瞬間、共感のパス回しは止まり、

「でも…」と言った人に主導権が移ります

ここでみんなが納得できることを言えれば、再び共感の輪は動き出します。

的外れな発言をして失敗するとさむい空気が流れ、気まずい雰囲気に一変します。

「そっか。だよねー」

「分かるわー」

「マジで?」

女子に限らない話ではありますが、男子よりも女子の方が誰かに共感する能力が高いです。

でも、本当はわたしそんなこと思っていない

たとえ誰かの話に共感できなくても、口に出して「違う」と言えないので場の空気に流されてしまう。

その場を離れても、グループの価値観に縛られてしまう。

これが同調圧力です。

 

職場でも学校でも、ママ友の会合でも、お教室でもサロンでも起こり得ることです。

女子は「迷いやすい」状況にあるから、同調圧力でお互いを助け合う?

誤解を招くような見出しですが、女性を卑下する意図は全くありません。

 

女性の中には、男性以上に決断力に優れたリーダー、カリスマがたくさんいます。

周りに流されず自分らしく生きている女性は問答無用でカッコいいものです。

しかし残念ながらそうした女性は多数派ではありません。

 

なぜ女性が「迷いやすい」かを詳しく説明します。

物事に対して気楽に優先順位がつけられない事例がたくさんあるからです。

たとえば、妊娠・出産、育児仕事との両立。

女性が働きやすい社会にしようとは言われていますが、まだまだ厳しいのが現状です。

結婚しないで仕事に生きるという選択肢もあるでしょう。

しかしそれでもなお、女性同士の人間関係は何かとややこしい。

友人関係、職場の同僚はもとより、ママ友や学校の教師とのコミュニケーションに神経をすり減らすこともあるでしょう。

結婚すれば嫁姑問題もあるでしょうし、ご近所との人間関係だって完全無視は難しい。

 

ファッションもそうです。

男性はスーツとフォーマルと普段着があれば大抵の場面は切り抜けられますが、女性はそうもいきません。

その場に応じた服装をしなければいけないし、ファッションの選択肢は男性とは比べられません。

 

可愛らしいところでは、子供にどんな服を着せるのかでも迷うところです。

ママ友たちから浮いてしまうと、陰で何を言われるか分からない。

キッチンに立つ女性であれば、毎度の献立もあれこれ考えなければならないでしょう。

メイクも髪型も化粧品も、何を使ったらいいのか組み合わせはほぼ無限です。

そういう意味で、女性は男性よりも「迷いやすい」環境ではないでしょうか。

 

そんな「迷い多き状況」の中で、友達や同僚の意見・同調圧力。

これなんかいいじゃない?

えー、それ似合わないよー

「こっちのがあなたらしいかな~?」

親切で言う場合もあれば、単純に価値観を押し付けてくる場合もあるでしょう。

迷い多き人生を共感しあい、アドバイスを送る。

心地よいものであれば良いですが、そうでない場合は無下にもできずにモヤモヤする。

「う~ん。良いかもね(困ったな~)

「だよねー」

「でしょでしょ」

零乃瀬 知里
……

心ならずも流されてしまい、後悔することもあるのではと思います。

人間の趣味や個性はバラバラでも、その場の空気だけは共感力ゆえにカッチリまとまってしまいます。

こんなことが繰り返されたら、気が滅入ってくる人もいるでしょう。

零乃瀬 知里
女の友情はハムより薄いけどね
八十島 小夜子
知里、そんなこと言うのは良くないわ
十念 絵馬
何回か聞きました。知里さん、実感があるのですね?
零乃瀬 知里
まあ…。色々あったからさ

一方、男性も迷いはしますが、女性の人生ほど選択肢が多いわけではありません。

また男性の悩みの多くが優先順位をつけやすい傾向があるでしょう。

九重 直行
…男は仕事と家庭に責任を持てれば、あとはいい加減でも許される風潮はある
零乃瀬 知里
女だってもちろん仕事と家庭に責任は持つんじゃない?
八十島 小夜子
でも80年代はだらしない女性に対する風当たりが強かったわ
九重 直行
その点、男は気楽ともいえる
十念 絵馬
男性と比べたら、女性の方が厳しい世間の目にさらされています

昭和の時代と比べて、女性が生きやすい時代になったのは間違いないでしょう。

しかし、生き方の選択肢が増えても見栄や世間体で人を推しはかる人たちは少なからずいます。

人間は本質的に残酷な生き物なので、他人の優しさに期待なんてできません。

 

一方、男性の同調圧力の中には、マウントを取ったり相手を見下したりバカにすることが露骨に出ることもあると思います。

もちろん女性同士でもマウントを取ったりしています。

が、男性ほど露骨にバカにされるケースは少ないでしょう。

やんわりとにこやかにマウントを取られるので、逆に怖いとも言えます。

 

これに対する対策はないのでしょうか?

他人を変えることなんて無理ですから、自分が変わるしかないでしょう。

受け流すか、そのグループを抜けるか。

どちらにせよ、くだらないマウント取りに惑わされない心を持つのが一番でしょう。

リア充至上主義とは何か

たとえば、学生であれば彼氏彼女がいて、友達がたくさんいて、休日にはデートしたり友達と遊んだりする人たち。

とても楽しそうでステキなのですが、彼らの中の一部に、わざわざそれを他人にアピールする人たちがいます。

零乃瀬 知里
「オレ(あたし)たち付き合ってるよ~」
十念 絵馬
SNSなんかでよく見ますよね
零乃瀬 知里
……リア充爆発しろ
十念 絵馬
気持ちは分かります。気持ちだけですが
九重 直行
90年代だけど彼女がいないのに彼女いるフリする奴とかもいた

それはさておき…

リアル(現実)が充実しているからリア充と呼ばれているわけですが、果たして彼らは立派なのでしょうか?

群れの動物であるヒトが第二次性徴を迎えて繁殖のための準備をしているのですから、生物として考えてみれば自然なことではあります。

ドラマみたいな青春群像の真っただ中にいる!

という優越感も働いているのではないかと思います。

ですが、偉いかと言われたら違うでしょう。

 

たとえ恋人がいなくたって…

世のため人のため自分の将来のために努力したり、

勉学に勤しんだり、

自己の内面と向き合ったり、

見識を深めている人の方がよっぽど偉いと思います。

 

地道な努力はドラマの青春のようには輝いてくれないですが、何事も本気で向き合えば楽しいものですし、得るものも大きいです。

そんなにカップルでいることは自慢できるのでしょうか?

「その優越感はどこから来るのか?」

「マスコミが作り出したステレオタイプなイケてる人物像のマネして楽しいのか?」

若気の至りで、リア充に問い詰めたこともありますが、案の定、気持ち悪がられましたね。

 

こんなことを書くとオタクのヒガミみたいに聞こえる知れませんが、過去はどうあれ現在私は充実した毎日を過ごしています。

「リア充」が喜びそうな施設には、あまり足を運ばないけれど、楽しく暮らしています。

他人と比較することはしないので優越感もないですけどね。

年代別で語る「リア充」とファッション・カルチャーの同調圧力

ここで言う「リア充」とは、仲間や恋人と「オレ(あたし)たち付き合ってまーす」「仲間サイコー」

みたいなことを他人にもアピールするような人たちを差します。

 

実際に「うぇーいwww」とは言ってなくても、社交的で仲間とワイワイやっている人たちは楽しそう、と言うよりもやっぱりちょっと偉そうです。

仲間うちで「ウェイウェイ」言ってれば特に害はないのですが、彼らは私たちのような内向的な人間のテリトリーまで干渉してきます。

「その服どこで買ったの?」

「血液型B型?」

「何聴いてるの? V系とかないわー」

男女を問わず、イケてる自分の趣味や興味があるものが最高! だと心から思っている人っているでしょう。

その手の人は、他人の趣味にケチをつけてきたり、価値観を押し付けてきたりもすると思います。

お住いの地域や年代によっても全く異なるとは思いますが、年代別にそうしたマウントが行われやすい背景を掘り下げていきます。

 

なお、ここで取り上げているアーティストのファンによるマウント事例です。

アーティストの楽曲並びに表現活動を批判する意図は一切ありませんのでご了承ください。

80年代が起点となったファッション・カルチャーの同調圧力

死語の代名詞にもなった「ナウい」と、今なお使われる「ダサい」この言葉が全国的に広まったのが、1980年代です。

この時代は、現在に続く若者文化がテレビや雑誌、深夜ラジオなどの大手メディアを通じて全国に広まっていきました。

コンビニエンスストアやファッションブランドにデオドラント文化。

女性の社会進出が進む一方で、ファンシーショップなども数多くオープンしました。

今につづく「カワイイ文化」が、明確な商業形態として成立したのがこの時代です。

 

当然、女子たちの話題もメディアを通じて広まる最新のトレンドが中心になります。

もちろんそれ以前の時代でも、ファッションや流行は女子たちの話題でしたが、まだまだその土地特有の文化がありました。

テレビやメディアなどの娯楽の多くが男性向けに作られてきて、女性が楽しめるコンテンツはワイドショーかメロドラマや料理番組、みたいな風潮がありました。

もちろん、そうではないトンがった女性たちも少なくなかったでしょうが、まだまだ男性向けコンテンツが幅をきかせていた時代。

 

 

それが一変したのが80年代でした。

コンビニや大手チェーン店の全国展開と若者向けバラエティ番組によって、日本中の女子たちが同じ話題で盛り上がるようになりました。

70年代半ばから起こったニュートラニュー・トラディショナル)というファッションスタイルは、80年代後半から現在に至るブランドブームの起源とも言われています。

 

男性アイドル文化は70年代から存在しましたが、80年代の光GENJI等のジャニーズ勢の大躍進は後に芸能界に決定的な影響を与えました。

八十島 小夜子
でも、不良はBOØWYを聴いていたわね
十念 絵馬
特定のミュージシャンのファンがそうでない人を見下す例はありました?
八十島 小夜子
地方によってはあったかも知れないけど…
十念 絵馬
あまりなかったと?
八十島 小夜子
ひょうきん族のファンがドリフをバカにしてたことならあったけど…

90年代〜ドリカム、安室奈美恵、宇多田ヒカル〜の影響力

90年代になると、カラオケボックスが全国的に普及したことで、地方の高校生が放課後カラオケボックスで遊ぶのが主流になりました。

当時は空前のJ-POP全盛期です。

 

カラオケで歌うために若者たちはCDを買ったりレンタルしたり、とにかくカラオケが若者文化に定着した時代です。

そしてたくさんのファッション雑誌が濫立し、服飾文化にも勢いがありました。

その一方で、「オタクはダサい」という偏見が根強く残っていました。

特にテレビドラマで描かれた「イケてる男女」こそが至高で、オタクなんてダメな奴という風潮がとても強かった時代です。

比較的おおらかだった80年代と比べて、90年代の同調圧力はより強く鮮明になりました。

暴論かもしれませんが、この時代にお笑い芸人の社会的地位が向上したことも同調圧力の強化と無関係ではないかと。

彼らのちょっと乱暴な言葉遣いをマネする中高生も多かったでしょう。

 

女子の文化(特に地方)では、ドリカムから安室奈美恵、宇多田ヒカル等のJ-POPアーティストがチャートを賑わせていました。

イケてる女子グループの「わたしたちセンスあるよね」という共通認識になっていたのではないでしょうか。

 

一方、そのような文化にうんざりした層は、サブカルだったりオタクだったりガールズバンド等に走ることになります。

インディーズシーンの活性化も、J-POPはどうも苦手…という人の受け皿として機能していました。

九重 直行
同調圧力に関しては、90年代はキツかった
零乃瀬 知里
茶髪にピアスにロン毛にアムラー
十念 絵馬
当時の画像を検索すると趣があって良いですね
九重 直行
真面目なお嬢さんがグループの影響でアムラーになったりした

当時はまだネットも一般層には普及していなかった時代です。

特に地方ではメジャーの上澄みくらいしか情報がなかったので「主流から外れた」という不安感は特に強かったのではないでしょうか。

他の選択肢を知っていれば、どうとでも居場所は見つけられるでしょうが、その手の情報を得るには自分の足で探さなければなりませんでした。

あるいは、マニアックな雑誌でしょうか。

とにかくネットのない時代に主流から弾かれてしまった人たちが居場所を見つけるのは大変でした。

00年代〜交わらないコミュニティ

00年代はサブカルチャーの勢力図がオタクに取って代わった時代として知られています。

きっかけの一つと言われているのが『電車男』でしょう。

当時はネットと言えばPCでした。

リアルとは別に、ネット上でマイナーな趣味を共有する文化が生まれます。

ここからは文化はより細分化して、それぞれが小さなファン層を作り、他の文化とあまり交わらないまま併存しています。

それが徐々にモバイル端末でもネットでできることが増えていった時代です。

携帯はガラケーが主流でしたが、この頃になるとSNSが登場し、瞬く間に普及していきました。

若者のコミュニケーション文化が決定的に変わった時代です。

その影響はネットだけにとどまらず、リアルでもSNSのつながりがコミュニケーションに大きく影響を及ぼすようになりました。

零乃瀬 知里
00年代は最初と最後で全く別の時代よね
十念 絵馬
SNSの普及ですね
零乃瀬 知里
それまでもネット掲示板とかあったけど
十念 絵馬
クラスLINE[とかで、ネットと現実が地続きになりました
零乃瀬 知里
SNSを通じて同調圧力が来るのよね

10年代は若者のテレビ離れとYouTuberの絶大な影響力

YouTubeが設立されたのは05年です。

10年代になる頃にはすでに巨大な影響力を持っていた動画配信サイトですが、YouTuber(ユーチューバー)と呼ばれる人たちの登場で、影響力は絶大なものになりました。

強い情報の影響力を持つインフルエンサーは小学生からシニアの方まで、それぞれの分野で動画を投稿しています。

特に小学生の分野では、様々なオモチャやお菓子などを紹介する動画が、同年代の子供たちの話題になっています。

10年代の小学生はテレビよりも、こうした同年代のインフルエンサーから影響を受けていると言っても決して大げさではありません。

今後もこの流れ=個人による情報発信は加速していくでしょう。

影響力とは、同調圧力にも容易に結び付けられます。

十念 絵馬
十年代は有名YouTuberの中にはタレント以上の影響力を持つ人も現れました
八十島 小夜子
そんなにすごいんだ…
十念 絵馬
スマホがあればいつ、どこでも動画が撮れて共有できる時代です

スマートフォン一つあれば誰でも手軽に動画を撮影し、動画サイトに投稿。誰でも視聴できる状況は、これまででは考えられない画期的なことでした。

事件や事故などの瞬間などが記録され、テレビのニュースでも使われることも多々見られます。

十念 絵馬
女性にはコスメやコーデ系のYouTuberが人気ですね

読者モデル出身の男女三人組のユーチューバー・さんこいちは15年に結成しました。

現在ではチャンネル登録者数100万人以上を誇る人気ユーチューバ―です。

18年まではアーティスト・モデルの事務所に所属していましたが、現在は三人ともフリーで活動しています。

十念 絵馬
理由は「一匹狼でカッコいい」からだそうです

元々モデルであった彼らは特殊なケースですが、ユーチューバーは基本フリーで活動しています。

「UUUM株式会社」というユーチューバーのための事務所も存在しています。

 

かつてはモデルや女優が担っていた役割を、YouTuberが担う時代になりました。

しかし時代が変わっても、人間に備わっている共感力は変わりません。

共感力は仲間意識を形成するのに非常に強力な効果を作り出しますが、同調圧力という負の側面も生み出してしまいます。

まとめ

女子の同調圧力とリア充至上主義について述べてみました。

もちろん地方や所属しているグループによっては大幅に異なるので、一概には「同調圧力はコレ」というわけにはいきません。

善意でやってくる人も、悪意でやってくる人もいるからです。

共感の輪と個人の価値観・嗜好にズレがある場合「嫌だけど、みんなと同じにしないといけないのかなあ」と思う。

これがモヤッと広がる同調圧力の正体だと思います。

 

そんなこと気にしないでも大丈夫ですよ。

そう言いたいところですが、心が強靭でないと不安なものです。

女性は特に孤立を恐れてしまう性質が男性よりも強い傾向があります。

 

当ブログでは内向的な人に向けてメンタル面をアシストできるような記事をこれからも書いていきます。

よろしければ、内向的な人へのタグで記事を探してみてください。

この手の問題は人に話せないと思うので、私の記事が一助になれば幸いです。

 

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