当記事は、ある読者の方(以後、相談者さま)よりいただいた相談メッセージを元に再構築しております。
相談者さまには折り返し連絡させていただき、許可を得た上で公開・引用しています。
なお、実在の人物や会社等を特定できないよう、固有名詞等にはフェイクを入れさせていただいております。
この例を公開するには相談者さまの意向もありました。
「いろいろ危惧する点があるので、私の立場の視点を残しておきたかった。この人間関係について公にしておきたいのです」
当記事では、個人のプライバシーやに誹謗中傷に当たらないよう、できるかぎり配慮しながら記事を作成しております。
読者様よりいただいた相談メッセージ
メッセージ本文: いつもたのしく拝見させていただいております。
今回、社内カーストの実体験を読んでいただきたく思い、突然ご連絡を差し上げましたことをお許しください。
以下、内容になります。
引用元:相談者さまのメールより
80年代の昔は、暴力や言い合いなどが日常茶飯事(?)で、表面的なトラブルも多かったのではないでしょうか。
今は、閉じられた各家庭内ではいざ知らず、一歩外に出れば、学校でも会社でも、公の場での暴力などのトラブルは少なくなったのではないかと思います(うかつに他人を殴れば通報されてしまうでしょうから)。
その代わり、やりとりが細かく、水面下に沈み、陰湿化してきたのではないでしょうか。
昔は暴力で勝ち負けをつけましたが(???)、今は手法が変わったと思います。
すなわち「被害者になった方が勝ち」という手法にです。
何か意見の食い違いがもとで一触即発、となり、「どっちもどっち」なとき、先に自分を「被害者」の立場に置いた方が、判定で「全面的に勝つ」ことができます。
周囲のみんなが「被害者アピール」をした人の味方に付くことによって、相手を完全に悪者にでき、追い込むことができるのです。
巧妙な人は、この仕組みを利用します。
つまり、「気に入らない相手」に「軽微な嫌がらせ」を仕掛け、継続的に行うことで相手を精神的に参らせ、多くの人の前で激高させる(または何らかのアクションを起こさせる)ことで、「自分が被害者である(いじめられてる!)」ことを周囲にアピールするという手法です。
最も成功すれば、自分が一方的に嫌がらせをしておきながら、「思うつぼ」に追いつめられていった相手は、公衆の面前で異常な振る舞いを見せることでしょう。
そのように思う事例について相談したいと思いますので、聞いてください。
いじめの前兆
私の会社(社員45人)に、ある女子社員がいます。
今回の「いじめ未満」の仕掛け人・Aさんは、基本定時で帰るのでカエルさん(仮名)としましょう。
カエルさんは社内カースト「1軍」ですが、トップの「お局様」ではありません。
トップのお局様は面倒見のいいタイプのBさんで、動物キャラ占いからこのBさんを『面倒見のいい』黒ひょうさん(仮名)とします。
黒ひょうさんと仲のいい美人の受付のCさんは、犬のセッターさん(仮名)とします。
一見大人しいカエルさんは、その2人といつもくっついているそうです。
この3人が分かりやすく言うと、社内カーストの「1軍」です。
こちらで当事者たちの想像図を描いてみました。
この図は、いただいたメッセージを元に私が想像して描いたものです。
あくまでも私のイメージですのでご了承ください。
カエルさんには昔から、「社内中のウワサを集めている」「社員の人間関係を社長に報告している」という噂があり、一見大人しいが、裏があるような、どんよりと暗い空気をまとっています。
私の会社では数年前から、急に人がやめていくようになっていました。
理由はさまざまでしょうが、私はもともと社内カースト「3軍」ですから、社内の噂(人間関係や悪口)は、めったに耳に入りません。
また、社員たちがやめた理由も、私に対しては、みんなパッタリと口を閉ざしてしまうので、一切教えてもらえません。
ということで、それまで「問題社員」のポジションを一手に引き受けていた、ある男性社員がやめた(正確にはやめさせられた)ことをきっかけに、ついに「その順番」が回ってきました。
私がついに、新たなる「問題社員」として「ターゲット」になったのです。
「いじめ未満」の原因
原因は私にありました。数年前のことです。
風邪が流行し、手洗い・うがい・マスクの着用に社会全体がやや敏感になった年がありました。
そのとき、完全内勤の黒ひょうさんが風邪を引き、一日中、激しく咳込んでいましたが、マスクをしませんでした。
私は当時、身内に超高齢の家族がいたので家にウイルスを持ち込みたくなかったのと、風邪がうつってダウンをしては人手が少ない外回りの仕事に差し障るため、
「咳をするときは、マスクをしてください」
と、おそれ多くもお局様に向かって言ってしまったのです。
これがいけませんでした。
「絶対イヤ! あたしマスク大嫌いなの!」
私は黒ひょうさん、カエルさん、セッターさんの反感を買ってしまいました。
カエルさんは一見大人しくて表に出ないタイプですが、お局の黒ひょうさん、美人のセッターさんとくっつく(または2人を取り巻く)ことによって、社内における高いポジションを維持しています。
「3軍以下」と認識されていた私の「マスクしてください!」は、社内カーストの序列を無視した、「生意気な発言」でした。
この日からカエルさんは、私に対してあることを実行しはじめます。
すなわち、「咳」です。
この日以降、カエルさんは毎日、欠かさず咳をしだします。
カエルさんの席は私の隣ですが、ほかの人が気にならないほど軽微に、ごく自然に、しかし継続的に、咳をし続けました(もちろんマスクなし)。
それは春も夏も秋も冬も、風邪のシーズン関係なく、地道に隣の席で咳をし続けるのです。
1年中咳が治まらないので、さすがに「おかしいな」と思って私が不快な顔をすると、カエルさんは目を光らせて、「わが意を得たり」という顔をしました。
さらに、それを境に、それまで定時で帰っていた内勤のカエルさんは、なぜか突然、残業をしだします。
カエルさんはもともと仕事量が少なく、昼すぎから午後5時までおしゃべりして過ごすほどヒマな社員です。
それなのに、私が外回りから午後7時に会社に帰っても、8時に帰っても、9時に帰っても、じっと一人で部屋にいるようになったのです。
「ストーカーか?」と思いました。
なぜなら、カエルさんは午後8時まで机にいても、仕事をしているわけではありません。
スマホを見ているのです。
誰もいない部屋で、じっとスマホを見て、1人で私の帰りを待っている(?)のです。
私は思い出しました。「社員の言動を、逐一、社長に報告している」というカエルさんの噂を。
省略しますが、この部分(社長に報告)は、実際に心当たりがあります。
以前、チクられました。速攻でした。すごく早かったです。
カエルさんが遅くまで会社に残って、本当に残業をしていたのかどうなのか、本当のところは分かりませんが。
雰囲気の悪い職場については以下の記事にまとめました。
いま思えばカエルさんは、私の「人間関係を把握したかった」のかなと思います。
なぜならカエルさんは、社員同士で「誰と誰が親しい」「誰と誰の仲が悪い」ということに、人一倍、興味をもつ人です。
一方、私も一応女子ですが、そういったことに疎く、どちらかというと単独でいることを好みます。
私は自分の性格が少々キツい自覚があり、無用なトラブルを避けたいという思いもあって、誰とも近すぎない距離をとっているつもりでした。
ところが、これがいけなかった。
カエルさんは、私に「友達がいない」と判断しました。
私はそれまで適度な孤立は心地よい(仕事がしやすい)と感じていましたが、そういった状態は、いじめを引き寄せるのですね。
「コイツに何をしても、味方する親しい社員はいない」
そう判断したカエルさんは、まず、同じフロアのヤンキー風女子のタイガーさん(仮名)に声をかけたようです。
するとタイガーさんは、急に咳をし始めました。
タイガーさんは、意外とまじめに、細かく咳をしていましたね。
たまに疲れたのか休んでいると、カエルさんが、
「ケホッ、ケホッ!」
と高らかに咳をして誘います。
するとタイガーさんは、ハッと思い出して、また律義に咳をします。
私はアホらしいので、その状態を放置していたのですが、その状態はおさまるどころか、ゆっくりと社内に広がっていきました。
「あいつ、そばで咳すると嫌な顔するよ。やってみなよ」
とでも言ったのでしょうか。
カエルさんが時間をかけて、社員一人ひとりに伝導して回ったのか、何かのタイミングで噂をばらまいたのか。
まぁ小さな会社で、狭い人間関係なども手伝って、2軍以下の女子社員や、男性社員も、「さりげなく」参加してくるようになりました。
受け付けの前を通れば、セッターさんが咳をする。
上司の男性社員も、表面ではニコニコしながら、仕事の話をしつつ、かなり激しく咳き込んでみせたりということを、しつこくしていました。
でも、
「咳、わざとやってるでしょ?」
なんて、とても言えません。
以前、似たような案件かは分かりませんが、「タバコの煙が迷惑なので、外で吸ってほしい」と言われたことに腹を立てた喫煙社員たちが、言った人が帰るタイミングを見計らって、外で待ち伏せしてタバコを吸っていたということがありましたが、咳はタバコに比べて、とても自然な行為です。
「わざとなわけ、ないでしょ」
「そんなこと思う方が、どうかしてる」
「自由に咳もできないの? それって変でしょ?」
と言われてしまうに決まっています。
ところが、広がっていくにつれ、一人の咳が治まると、別の人がしだすので、いつも誰かが咳をしているようになりました。
人間って若いうちから、風邪でもないのに、そんなに一年中咳をしますか?
満員電車でも、咳だらけってことはありませんよね。
いじめする理由については以下の記事にまとめてみました。
こちらも合わせて参考にしていただいたら幸いです。
疑惑の域から出ないで追い詰める手口
「たかが咳」ではありますが、やられ続けると嫌なものです。
とくに原因に心当たりがあるだけに、疑心暗鬼になってしまいます。
さらに、「大勢」対「一人」ですから、やる方に悪気なんてありはしません。
やる方は「ちょこっと1回するだけ」でも、やられる方は「どこへ行っても常に誰かの咳が聞こえてくる」のです。
中には当然、本物の咳もあるわけですから、こっちは区別がつかず、頭がおかしくなってしまいそうです。
このように、ちょっと咳をするだけで、特定の一人(ターゲット)が、「勝手な思い込み」で「自分から傷つく」のですから、こんな簡単な方法はないでしょう。
私が思うに、このやり方の本質は、「パス回し」にあります。
この咳は、1対1では滅多に行われません。
私の周りに社員が複数いるときにだけ、行われるのです。
仮に、「ジャイアン」というあだ名の社員がいたとします。
そのあだ名のことは本人に知らせず、陰口をたたくときにだけ、周囲の人が陰でヒソヒソ「ジャイアン」と呼んでいたとすると、そのあだ名には、悪い意味が込められています。
そして私には、「咳」というあだ名が付けられているとします。
ところが、咳は咳ですから、陰でヒソヒソ言う必要はないのです。
咳は、すればいいのです。
咳は単なる生理現象ですから、本人のいる前で、堂々と、裏のあだ名を社員同士で「パス回し」することができます。
単に咳をすることで、「その意味を共有している」社員同士で、ターゲットをバカにすることができるのです。
そして、ターゲットが「薄々気づいて不快に思っている」となれば、最高です。
単に咳するだけで、本人が勝手に傷つくなんて、本人がおかしい。神経質すぎる。
周囲は何も危害を加えてはいないのですから!
また、社員が共通認識を持っている場所で、この意味ありげな咳をする人は、「私、コイツの味方じゃありません」「みんなの側です」ってことを、周囲にアピールする意味にもなります。
ところで、これは本当に嫌がらせなのでしょうか?
単なる私の気のせいでしょうか?
たかが咳、咳払いです。ぜんぶ本物の咳かもしれません。
偶然、普通に咳が出ただけなのに、「あの人にもやられた」と、疑い出したらキリがありません。
疑心暗鬼になり、自分で自分を追い詰めてしまいます。
それでも、見分け方のポイントはあると思います。仕事上の会話のときの声のトーンです。
私に嫌がらせをする人は、仕事で私に話しかけるとき、言葉は丁寧ですが、声質が低く耳障りになり、周囲を意識して突き放すような、または威嚇的なニュアンスがこもってきます。
それを聞くとこちらも、「あ、悪口がこの人の耳に入ったな」と、どんどん神経過敏になっていきます。
ところで、どんな内容(悪口)を言われると、みんなが突然、こんな態度になるんでしょうか。
内容は耳に入らないので分かりませんが、「みんなに嫌われている」個人は、仕事の出来不出来や、身だしなみに関係なく、「危険! すぐ手を切らなきゃ」ってことになるんでしょうね。
職場いじめのパターン
職場のいじめでよくある具体的な攻撃方法は次のようなものが代表的ではないでしょうか。
- 聞こえるように悪口を言われる。
- 他の人には指摘しない内容を自分にだけは注意してくる。
- ミスをしたときに集団から大笑いされる。
- 新入社員でもないのに雑務を押し付けられる。
職場いじめに遭った場合、誰を頼るかで死活問題になりかねません。
公的に相談できるところといえば、以下の4つでしょうか。
- 各都道府県の労働局
- 労働組合
- 弁護士
- 会社内の窓口
このご相談を受けて、同調圧力について記事をまとめてみました。
カーストが近い人ほど攻撃的
また、正直こたえたのは、今まで可も不可もなく、まあ良好な関係を維持していたと思っていた社員たちが、すぐにパッと「1軍」の側についてしまったことでした。
そして厄介なことに、2軍以下で、そこそこ良好な関係であった地味な人たちほど、あからさまに攻撃的な態度を取ってきたのです。
「中立ってないのか?」
と、正直思いましたね。
この件に関して、私も言いたいことはたくさんありますが、社員に対しては、誰にも相談したり、打ち明けたりしてはいません。
相談したとたんに、その人が咳をし出したら、私自身がその人を信じられなくなってしまうからです。
だから、この咳という「暗号」を作り上げたカエルさん側の言い分のみが、社員の共通認識となっているはずです。
それでも、私は構いませんでした。
この意味ありげな咳が、社員の間でだけならば、いくらでも我慢できたのです。
ところが、とうとう自分が音を上げる日が来てしまいました。
「暗号」社外に漏れる
私には外回りの業務がありますが、ある社員夫婦が私の仕事先にプライベートで関わっていたため、社外に漏らされてしまったのです。
原因となった年から数えて、5年目あたりからでした。
社外での仕事には子供たちが関わっていたため、ちょっとあからさまになってきました。
子供の態度は正直ですからね…。
私は何らかの対処をすべきなのではないかと、真剣に考えはじめました。
そして、実際に行動しました。
今回はここまでにして、次のご連絡で、具体的に私がとった対処方法を、お伝えしたいと思います。
以上が相談者さまからのメッセージです。
具体的な対策法を考えてみた(「これは劇だ。みんな役を演じている」方式)
この問題で厄介な点は「本人の思い過ごし」である可能性が完全に否定できない点にあります。
もちろん相談者様を否定する意図はありません。
第三者として、客観的に考えてしまうと…相談者様のお心に沿うよう、当記事はまとめていますが、どうしても白黒つけられないもどかしさがあります。
おそらく公的機関に相談してみても、(人によっては)要領を得ずにモヤモヤするだけに終わることもあり得ます。
できることはご本人の心の持ちようを変えることではないでしょうか。
学生向けではありますが、こちらの記事も参考にしていただけたら幸いです。
加えて考えてみたのですが、相談者さまが「これは劇だ。みんな嫌な役を演じているだけ」
と考えるのはいかがでしょう。
大して面白くもない劇ではありますが、お芝居に参加するだけで一応ギャラ(お給料)は出ているわけです。
相手は憎まれ役を演じていると思えば、悔しさも少しは減る…かどうかは分かりませんが、発想を柔軟にいろいろ考えてみるのもいいですよ。
例えば相手は地球侵略をしている宇宙人で~みたいに。
そんなふうに、少し視点を斜め上(下?)に、ずらしてみるのもひとつの考え方ではないでしょうか。
まずは追い詰められた心を軽くすべきでしょう。
とはいえ、追い詰められている現状では難しいのも確かでしょう。
「居場所がない」
そのような方のために書いた記事がこちらになります。
しかしながら、こちらからの対策案にどこまで効果があるか分からないのが正直なところです。
人によれば全く心に響かないこともあるわけで、誰かの心に寄り添うことの難しさを痛感しております。
なんとなく気分転換、というのもひとつの対策かも知れませんね。
気分転換にはこちらの映画もオススメです。
とにかく、まずは気持ちを落ち着けるのがいいですね。
生活の基盤を整えながら、次のステップ(転職や資格取得など)への自己投資をするのもいいかも知れません。
まとめ
今回、相談者さまの意向もあり、このような事例を公開しました。
相談者さまは疑心暗鬼の中、すがるような思いで当ブログにメッセージを寄せて頂いたのかなと思うと胸が締め付けられる思いです。
もし自分がそのような状況に置かれたらやっぱり精神的に相当まいってしまうでしょうね。
誰かに相談しても、「え? 気のせいじゃない」と眉をひそまれる(相談者さまスミマセン)可能性はありますし。
ひょっとしたらこの記事を読まれている方の中にも、同じような疑惑の渦中におられる方もいるのではないでしょうか。
どの段階から「いじめ」となるのか明確な基準はありません。
相手の「悪意」がどの程度のものなのかも測り知ることはできないでしょう。
あるいは、「悪意」など存在しないと言われたらそれまでかも知れません。
どうか、くじけないでほしいと願います。
気分転換に、こちらの記事もおすすめします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。