HSPとは、ハイリー・センシティブ・パーソン(Highly sensitive person)の略です。
感受性が強すぎて社会的に生きづらくなってしまうような気質のことです。
一部では「繊細さん」とも言われているようです。
精神疾患ではなく、生まれついての気質だと言われています。
あなたが持つ繊細さは性格上の課題ではありません。ただ繊細に生まれついたという気質なのです。
引用元: 武田友紀・著「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本 飛鳥新社 2018年・刊
HSP=「繊細さん」にとっては、日常生活を送るだけでも消耗してしまうケースが多々あるのではないでしょうか。
本記事は主に、何かと疲れてしまう傾向があるHSPの人のために書きました。
私もHSPとして、何てことのない場面で疲労困憊してしまうような人生を歩んできたので、少しでも改善できる方法を同じような気質の人と共有していきたいと思っています。
HSPが何かと疲れる理由は刺激に敏感だから。
HSPにとって何がつらいかと言えば非HSPの人との落差ではないでしょうか。
一人で黙々と進める作業ならともかく、接客や電話応対などでも消耗してしまうことも多いかと思います。
内省的で、静かな生活を好む傾向がある人の場合、人と会うこと自体で消耗していきますから特にそう感じることが多いような気がします。
電話対応が苦手という方には、こちらの記事もオススメです。
電話が苦手な内向型のための電話応対のコツ(美容院予約テンプレ付き)
HSPの場合、とかく日常生活で疲労が蓄積しやすいのではないでしょうか。
人の気持ちに限らず、強い光や音、色やにおいまで気になってしまうためです。
また、複数の作業を切り替えながら並行して進行する(マルチタスク)が苦手な傾向もありますので尚更です。
ただでさえ不安がちであったり、自己肯定感を得にくい性質でもありますので、余計に気分が落ち込んでしまうこともあります。
このように、社会的に見た場合HSPは「弱点」となる場合が多く、多くのHSPが生きづらさを感じているのは否定できないのではないかと思います。
一方で、HSPだけど刺激を求める傾向があるHSS型HSPと呼ばれるタイプは、置かれた状況や人間関係に飽きさえしなければ、精力的に活動し続けられるのではないでしょうか。
HSPは運動に向いていなけれど、体を動かした方がいい理由。
私とリアルで交流がある人たちの中で「HSPかな?」と思われる人たちは、ほぼほぼ文化系で占められています。
偏見かも知れませんけれども、HSPに「運動好き」は少ない印象です。
いるとしても、個人競技を好む人が多い感じです。
実際、私の周囲の「HSPかな?」と思う人たちは学生時代、文化部か個人競技の部活動やサークルに所属していたそうです。
「気を使いすぎるから」といった理由でチームスポーツを敬遠する傾向は強いです。
一人でできる運動などは、HSPの方にもオススメできます。
その理由として、雑念が消えるからです。
何かしらものを考える傾向が強いHSPの場合、「考えない」時間は貴重ではないでしょうか。
特に嫌なことがあった際は、無心になることで嫌な記憶の定着を防ぐことができます。
それについてはこちらの記事でくわしく解説しております。
運動に限らず、肌に触れる風や足に伝わる地面の感触など、五感を刺激する様々な要素は疲れる要因でもあります。
それでも、天気が良かったり、心地よかったり何らかの達成感も得られてストレス解消にもつながるのではないかと思います。
自分が好きな景色を探して、その中に没入するのも良いでしょう。
それでも運動はどうしても苦手という方もおられるでしょう。
たとえいくら健康に良いと言っても、強迫観念のように「何かをしなければならない!」必要はありません。
内向的な人がストレスを感じた時の対処法についてはこちらの記事にまとめました。
HSPのリラックス法
とっておきの方法があります。
平時から、いつもリラックスした状態で過ごすのが、私が考えるHSPにとってのリラックスの極意です。
何故ならHSPにとっては、些細なことで心が乱されてしまいますので、普段のリラックス状態を極限まで快適な状態でいることを心がけています。
着るものや食べるもの、香りや身の回りに置くものすべてに気を使い、極力自分の好きなもので固めるのはいかがでしょう。
家族と同居されている場合ですと、ままならない部分はあるかと思いますが、日常を安定させるのが極めて大切なことだと思います。
それでも生きていれば落ち込む日もあるでしょう。
私なりの気分転換法は以下にまとめてみました。
部屋から一歩も出ないでできるリラックス法という点では徹底しているかなと思います。
趣味は人それぞれですので一概に「コレがオススメ!」とは言いにくいですが、こちらの記事も参考になれば幸いです。
それと、ファッションやアクセサリー等、身に付けるものにこだわることはストレスを軽減するためにもつながるのでおススメです。
疲れることを前提で活動していく(だましだまし頑張る)
テレビゲームに親しんでいる人ならば、HP(体力)の上限値が低めで、耐久力も弱いキャラクターを想像してみてください。
主人公なのでパーティーから外す選択肢はありません。
かといって魔法が使えない現代社会ではどのように運用すべきでしょうか。
結論はふつうの人よりも「疲れやすい」ことを肝に銘じて行動することです。
決して無理をしないで、できる範囲でひとつずつ積み上げていきます。
いつもレベル上げをしながら、着実に進むイメージです。
普通の人よりも時間はかかるかもしれませんが、意識的に取り組めば想像以上にパフォーマンスを発揮できると思います。
その際は他人の影響を極力受けないように心がけるのも良いでしょう。
なぜならHSPは人に気を遣う傾向がある一方、他人のアドバイスは相当に無責任だからです。
ヘンに引っ張られてしまうよりも、自分のペースを守ってやった方がずっとうまくいく可能性が高いです。
人間関係を劇的に改善させる対処法は以下の記事にまとめました。
それでも疲れてしまったら外部との接触を断ち切って休む
徹底的にというのは、スマホの電源を切ったり、ほとんど音信不通状態で自室にこもるか寝てしまうか、ネットに触れるのも止めてしまいましょう。
もちろんテレビも消しましょう。
ラジオも止めましょう。
プチ出家のようなものです。だからといって写経する必要もないとは思います。
思い切って外部からの情報も誰からの連絡もいっさい断ち切ってしまいます。
それで時間の許す限り(半日~数日?)グータラしてみると、ビックリするくらいリフレッシュできます。
具体的に何をするかと言えば、その場で思いついたことでしょうか。
散歩したり、空を見たり、雑草取りをしたり、部屋を片付けたり、瞑想したり…
ペットを飼っている方ならば、一緒に遊んだり、水槽を眺めたり…
植木に水をやっても良いでしょう。
とにかく思いついたことをやってみると、意外なことに深い感動があったり驚くことがあります。
音信不通になることに最初はすごく不安になってきますが、慣れると非常に気持ちが良いです。
徹底的に何もしないことは、人間をこれほどまで不安にさせ、同時に高揚させるものかと不思議な気持ちにさせられます。
内向的な人ほど効果があると思います。
もっとも、職業や立場によっては不可能な方もおられるとは思いますので、社会的に許される範囲内での自己責任でお願いします。
お酒は逆にストレスになるのでおススメしません。
嫌いな人との関係性で悩んだときは、解決なんて期待しない、開き直る。
身もふたもない話ですが、他人を変えることは無理だと思うのが自然です。
そして残念なことに、どちらか一方だけが「嫌い」の感情を持つことは少ないのではないでしょう。
嫌いの両想いという言葉もありますが、嫌いな感情はまず間違いなく相手に伝わります。
これは先史時代、狩りをしていた頃からくる習性だと思われます。
本人が意識していなくても、とても根深いものです。
人間関係、特に相手をコントロールしようと考えることはおススメしません。
結果的にストレスになる可能性が高いからです。
まとめ
何かと疲れやすいHSPの問題点とリラックス法をカンタンに述べてみました。
適度な運動や十分な睡眠など、健康的な生活習慣も見過ごされがちですが大切なことです。
それらに加え、とにかく刺激に敏感なHSPには平常心とリラックスタイムをいかに効率よく確保するかがカギとなるのではないでしょうか。
徹底して何もしないというのも効果的な方法です。
感受性が人一倍強いのもHSPですから、何もしなくてもささやかな景色や落ち着いた心持ちなどが自身に良い影響を与えることは間違いないでしょう。
参考になれば幸いです。