地元に貼り出された選挙ポスターを誰もが見たことがあるでしょう。
内閣閣僚や、テレビの国会中継でいつも目立っている野党の有名国会議員はともかく、知らない人の写真が延々貼られていますよね。
ギラギラしたじいさんか、枯れたじいさん!
イキったオッサン!
美人だけどマウント取ってきそうな女性候補者!
親しみやすいけど母親よりも口うるさそうな女性候補者!
どこかカン違いした兄ちゃん…姐さん
衆参両院や地方選挙で誰に投票すべきか迷う人は?
『選挙』には行くことに意味があると言われています。
選挙は国民の権利であり、私たちみんながよりよい社会づくりに参加できるように定められたルールです。
果たして本当でしょうか?
選挙で何が変わるのか?
そもそも、だれに投票したらいいか分からないという人は多いと思います。
政治に興味のない方だと、どれも同じようなキレイごとばかり書いてあるように思えますよね。
テレビが取り上げる政治ニュースも、どこまで信用していいのか分からない人も多いでしょう。
そんなときは政党マッチング等のウェブサイトを利用するのも良いでしょう。
候補者のホームページやフェイスブックをチェックすることでも、その人の資質がかなり分かるのでおすすめです。
参考までに
新聞を購読している方なら、地元議員の経歴や政策が書かれた冊子も読めます。
しかし 新聞行為者率は減少傾向にあり、10代では男女ともに5パーセント以下、30代でも10%程度の数値が出ています。
いまこの記事を読んでいる方の大多数が目にする機会のない情報ではないでしょうか。
政治に興味のない人は顔で選ぶのも全然OKだと思います。
政治にほとんど関心のない方、特に若年層が一人でも投票に行きたくなるように、視点を少し変えて、書きました。
※言うまでもないことではありますが、本記事は特定の政党や候補者に肩入れするものではありません。
選挙・ポスターだけで読み解く「政治家の人となり」
人を見る目があるかと言われたら自信はないですが、人の第一印象ってかなり大事だと思います。
特に制服や就活スーツなど、同じような格好のときの方が、実はその人の個性がにじみ出るものだと思っています。
人は個性を制限されている方が─自由にできる数少ない部分で何を選んでいるかの─個性が際立つからです。
ココがポイント
パッと見、ビシッとスーツを着た、いかにも「候補者」な装いからも、隠しきれない本人の人となりがにじみ出ていることも多いです。
よくよく観察すると、見た目から読み取れる情報はかなり多いのではないでしょうか。
たとえば、髪型や表情。スーツやネクタイの色なども、人となりを表すアイテムです。
とある有名候補者でもいましたよね。
緑とか黄色をトレードマークにしたり、ピンクのスーツを着たりする人…。
そもそもリーダーになろうと立候補するような人間ですから、たとえ市議会議員の候補者だろうと無味無臭というわけではありません。
筆者の経歴から
私は毎日新聞が2011年~17年まで展開していたニュース漫画アプリ『毎日まんがニュース』を立ち上げから終了まで担当しておりました。
政治の記事も多かったので、たくさんの政治家の似顔絵を描かせていただきました。
その経験から、ちょっとした政治家の表情やファッションの特徴などは事細かに観察してきたつもりです。
あえて名前は挙げませんけれども、名のある政治家は漫画に描きやすかったですね。
いい意味でも悪い意味でも「キャラが立っている」政治家は大物になる資質はあります。
一方で、イケメンでも美人過ぎる候補者でも「変に悪目立ちする候補者」は、不祥事を起こしたり失言をしてしまう可能性があります。
「キャラが立っている」と似たようなニュアンスですが、「悪目立ち」は本人と釣り合っていない印象があるのが特徴です。
選挙ポスターはわりと自由
総務省選挙課によると、選挙の際に掲示場に貼られる候補者のポスターは規定のサイズ(長さ42センチ、幅30センチ以内)に収め、掲示責任者と印刷者の住所・氏名を記せば、あとは自由なんだそうです。
フォトショップなど、画像加工ソフトで「キレイにした」写真も特に規制はなく、丸型やハート形のポスターでも違反にならないそうです。
ココがポイント
※04年の国会で、選挙ポスターの写真が古くて今の容姿と異なっている場合は「虚偽記載ではないか?」という質問が出されたことがあります。
これに対して政府は「虚偽事項公表の規定に該当しない」という答弁を出しました。(04年10月22日、第161回臨時国会)
極端な話ですが、80代の候補者が20代の時の写真をポスターに使っても問題はないということですよね…。
なぜ高校生が投票できるのか? 選挙に行く意味はあるの?
総務省によれば、「選挙権」と「被選挙権」を以下のように定義しています。
私たちは、18歳になると、みんなの代表を選挙で選ぶことのできる権利が与えられます。これが「選挙権」。そして、その後ある年齢になると、今度は選挙に出てみんなの代表になる資格ができます。これが「被選挙権」。
どちらも、私たちみんながよりよい社会づくりに参加できるように定められた、大切な権利です。引用元: 総務省 選挙権と被選挙権
2016年に改正公職選挙法が施行され、満18歳を迎えた高校生でも投票できるようになりました。
都会と地方ではこんなに違う選挙ポスターのイメージは事実?
候補者の笑顔の写真が好感に結びつくのは都会だけと言われています。
地方ではへらへらしている候補者は敬遠される傾向があるとも。
地方では特に高齢者が選挙のメインターゲットということで、そういう側面はまだ根強いところも多いでしょう。
しかしながら、今後10年でこの流れは間違いなく変わってくると思われます。
選挙ポスターの文字から情報を読み取れる?
名前が縦文字か横文字かで、ある程度の政策が読める?
選挙ポスターに印刷された文字列やフォントから受ける印象は様々ですが、そこに候補者や
選挙コーディネーターの意向があるとしても、センスが合うかどうかは見た人の好みもあると思います。
もっとも選挙について、友人たちと話題にする機会なんて基本的にないと思いますので、参考になれば幸いです。
あくまでもキャラクターの語った印象なので、まったく根拠はありませんけれども。
沖縄では選挙ポスターの名前をカタカナで書く理由
たとえば、本土では「直行」「なおゆき」などと漢字もしくはひらがなで書く場合が多い候補者の名前。
沖縄では「ナオユキ」等、カタカナで書く場合も多いのは、選挙期間中に沖縄を訪れたことのある人ならば目にしたこともあるでしょう。
沖縄には難読苗字が多いのでカタカナという説があります。
また、沖縄の戦前~戦後(米軍統治下)の教育事情もあり、漢字になじみのない人にも配慮したということも考えられます。
選挙プランナーによるコンサルティングの影響
選挙プランナー、選挙コーディネーターと呼ばれるコンサルティング業務があります。
公職選挙法違反による逮捕者を出さないように、候補者に対して何がOKで何がNGか、適切なアドバイスを行ったりします。
候補者に最も適した選挙キャンペーンのプランニング、イメージづくり的確に行っていくのも、大切な業務になります。
この結果、どの候補者も一定以上の水準で「それらしい」候補者のイメージを醸し出すことが可能です。
一方で、どれも同じような「量産型候補者」になってしまうんじゃないかと危惧する向きもあるかと思いますが、心配ご無用です。
「男性も女性も、自分の欠点が出ている写真は、無意識に嫌うんです。だから候補者に選ばせると、自分の欠点が出ていない写真を選ぶ。でもそれは、周りからすると、その人らしくない写真。人に選ばせた方が、他人の目から見て一番いい写真になります」
直感で選んでもいい。難しく考えずにテキトーに投票するのも全然アリ
人間の直感力はそうそう侮れません。
選挙に立候補するような人は学歴や職歴など、申し分のない人がほとんどです。
でも、「この人うさんくさいな」「大丈夫かな?」そんな第一印象ってかなり大事です。
政治について特に勉強してなくても、人生経験の浅い未成年者でも、何となくその人の本質は見えてしまうのではないでしょうか。
もちろん人間である以上、間違いはつきものです。
特に仕事ができるかどうかは見た目で判断するのはきわめて難しいことです。
これを読んでいる方で、子供時代に何となく信用できる大人と、そうでない大人が何となく区別できた方も多いんじゃないかと思います。
第一印象は最悪だったけど、親身になってくれた担任の先生…。
良い人だと思ったけど、実は悪い大人だった。
マンガなどではよくありますが、実際にはそんな例は少なかったのではないかと思います。
実のところ、子供心に見た大人って、けっこう見た目の印象通りではなかったでしょうか?
もちろん例外もあるので、無責任なことは言えませんけれどね。
大人になった後の方が、経歴や肩書に騙されることもあるのではないでしょうか?
もちろん子供の心は純粋だなんて言うつもりはありません。
身体的に完成していないがゆえに、本能的な部分で、危険を察知する能力は鋭いのかなと思います。
なので、先入観を抜きにして見れば、意外と人間はパッと見で善人と悪人の区別はつくような気がしてなりません。
繰り返しますが、善人顔だからといって仕事ができるかは別問題ですけれども。
まとめ
ともかく、パッと見て印象がよかったら投票しても大丈夫だと思います。
イケメンや美女でも印象の悪い人はたくさんいますから、ルックスとは関係ない部分の信頼感と言いましょうか。
選挙ポスターからぱっと見で候補者を選ぶことについて「まじめにやれ」と怒られるかもしれませんが、けっこうまじめに考えました。
政治に関心のない人が、たとえ面白半分だろうと投票所に足を運んで投票してもらえたらと思います。
若気の至りやネタで面白い人に投票して後で後悔するのもいいでしょう。
一度でも投票してしまえば、投票した候補者が落選したり、不祥事を起こしたら起こしたで「今度はちゃんと選ぼう」と思うものですし。
逆にポスターを見た印象だけで選んだ候補者が当選すると「見る目があったな」等と思ったりもします。
せっかく国民に与えられた権利ですので、ぜひ一度でも選挙に行くことをおすすめします。
人間を見る訓練にもなるし、社会参加もできますので。
政治のこと、社会のこと、日本のことを考えるキッカケとなればいいと思います。