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内向的な人へ

音楽の趣味は親子で違う? 影響を受ける人と受けない人

親子で音楽の好みは違うのか?

親が聴いていたからファンになったというケースもあるでしょう。

また、子供の影響で親がハマったという例もあるかと思います。

逆に親と子で、音楽の好みが全然違う場合もあるでしょう。

音楽をよく聞くという家庭環境や、学校の友人からの影響も大きいでしょう。

音楽の趣味は親子で似るのか? それとも違うのか?

人それぞれの問題ではありますが、遺伝的な研究などにも触れながら考察していきます。

なお、音楽の才能と遺伝の関係についてはこの記事では触れませんのでご了承ください。

音楽の好みは遺伝するのか?

音楽の好みには、遺伝的要因も大きく影響しているといいます。

九重 直行
遺伝だと言われても正直ピンとこない部分はあるけどな

例えば、ジャンルによって影響度は異なりますが、ポップスやクラシック、ヒップホップは約53%の割合で、遺伝的な影響が関係しているとの研究があります。

以下の表はフィンランドの携帯電話会社Nokiaと英国の名門大学キングス・カレッジ・ロンドンの研究によるものです。

 

音楽の好みに遺伝子が影響? Nokiaが研究結果を報告

ITmedia NEWSより引用

音楽の好みがどの程度遺伝するのかを示した図

零乃瀬 知里
データを出されてもどうも納得できない気もする
十念 絵馬
多くても半々だからそんなもんじゃないですかね

逆に、もっとも遺伝的な影響が少ないとされるフォークやカントリーなどの音楽ジャンルについて気になります。

九重 直行
カントリーって日本で例えるなら演歌だっていわれてるけど
零乃瀬 知里
単純な比較はできないよね
十念 絵馬
楽曲イメージにある西海岸や都会に対する対抗意識や反発も関係あるんじゃないですか

私見ですが、カントリーやフォークの影響ががもっとも少ないというデータは、

音楽の趣味に遺伝的な影響よりも環境や社会的な影響の方が強く作用していることを示しているのではないでしょうか。

八十島 小夜子
ところでインディーってどんな音楽ジャンル?
零乃瀬 知里
大手レコード会社じゃなくて独立系(インディーズ)で活動するミュージシャンだね
九重 直行
クラシックの場合、やっぱり家族環境のような気がするけどな
零乃瀬 知里
ヒップホップ好きな親の子は、なかなかクラシックに興味を持てないよね
十念 絵馬
逆にクラシック好きな家庭で育った子はグレでもしないとヒップホップ好きにはなりにくいですよね

年齢とともに遺伝的な影響は薄れていく

『音楽の好みは遺伝するのか』という研究を発表したNokiaによれば、年を取るごとに経験の影響が大きくなり、遺伝的影響は薄れていくとされています。

50歳未満の人は、遺伝的要因の方が環境的要因より強く影響する傾向が見られたのに対し、

50歳以上の人は環境的要因の方が音楽の好みに大きく影響するのだとか。

人は生まれたときは遺伝の影響を強く受けますが、年をとるごとに環境からの影響の方が強くなっていくようです。

零乃瀬 知里
30歳過ぎると音楽を聴かなくなるって話もあるけどね

 

もちろん、この研究が絶対的なものとは言い切れないでしょう。

現に、私自身両親とは好きな音楽のジャンルが違っていました。

幼少期に家でかかっていた曲は、必ずしも心に残ったわけではありません。

それは年代的な影響もさることながら、同年代の友人からの影響、CМやメディアタイアップ等の影響もあるでしょう。

忘れてはいけないのが「14歳のときに好きだった曲がその人の一生を左右する」というような感性の鋭敏な思春期に受けた強烈な音楽体験もかなり大きいと思われます。

一方でジャズやロック好きな人の多くが両親がクラシック好きというデータもあります。

弐重 ねん
ねんのおばあちゃんは演歌がすきだけどおとうさんはアイドルがすきで、ねんはアニソンがすきです

タイアップ文化も含めて、英国と日本では音楽を耳にする環境も違いますので、これらの研究結果を鵜呑みにするのはちょっと違う感じもします。

友だちの影響と同調圧力

子供のころから行われる周囲との関係性の構築もその人の個性にかなり影響を与えると言われています。

ジュディス・リッチ・ハリスというアメリカの心理学者の本『子育ての大誤解』(早川書房)によると、

子供の性格の半分は遺伝によって、残りの半分は家庭とは無関係の子供同士の社会的な関係によってつくられると考えた。

ひとは(チンパンジーも)生まれ落ちたときから、年齢のちかい子ども集団に同化することで性格(パーソナリティ)を形成するよう

遺伝的にプログラミングされている。

だから子どもは、親や大人たちではなく、自分が所属する子ども集団の言語や文化を身につけ、同時に、集団のなかでの自分の役割(キャラ)を目立たせようと奮闘するのだ。

引用:『子育ての大誤解』(早川書房)

「キャラ的コミュニケーション」についてはこちらの記事にまとめてありますのでご参照ください。

九重 直行
音楽の好みって友人からの影響がもっとも大きいよな
零乃瀬 知里
でも「これ聴いてないとダサい」って仲間内の同調圧力もあるよね
十念 絵馬
そのグループのリーダー的な存在の影響って大きいですよね
零乃瀬 知里
周りに合わせるために、好きじゃない曲を好きなふりをしたり
八十島 小夜子
その点ラジオはいいわよね。1人で聴けるから本当に好きな曲と出会える

個人的な意見ではありますが、やはり音楽の趣味は思春期のときの友人関係からの影響がもっとも大きそうです。

その一方で「この曲聴いてないとダサい」というような同調圧力に反発することもあるでしょう。

「いまこれが流行ってる」というようなメディアのプッシュをごり押しだと感じて興ざめすることもあるかもしれません。

一人、ラジオや動画サイトから流れる一曲にガツンと心を射抜かれる、ということもあります。

八十島 小夜子
素直な心でその曲を好きになれる機会って、貴重なのね

まとめ

簡単にまとめます。

音楽の好みの多くがは遺伝的な影響と環境の影響の両方で成り立っているそうです。

しかしながら、遺伝的な影響は研究結果でも50%と、半々。

このデータからはそこまで強い「音楽の趣味に関する」遺伝的な影響は感じられません。

それよりも思春期の子供同士の社会的な影響は大きく、根が深そうです。

ここにメディアの影響も加わりますので、

ただ、昨今の動画サイトの普及で、「両親が好きだった曲とは知らずに子供も好きになった」なんて事例も少なくないそうです。

また、スタジオジブリ作品やドラえもん、名探偵コナン、クレヨンしんちゃん等、息の長いコンテンツも多数あります。

親子でファン、同じ主題歌を好きになったなどというケースはかなりありそうです。

弐重 ねん
さいごまで読んでいただきありがとうございました

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