月にまつわる物語
月は地球の唯一の衛星で、地球に最も近い天体だ。
世界中の多くの神話に、月の神は登場する。
月の重力は、地球の海や、体内の水分を通じて人間などの生き物に強い影響を与えている。
月が人の精神状態に影響を与えることは、昔から知られていた。
そんな月にまつわる神話や禁忌(タブー)を紹介する。
ロマンニュース第3話本編
あとがき
月にまつわる神話や歴史をザックリとマンガにしてみましたが、月をテーマやモチーフにした物語も古今東西枚挙にいとまがないほど書かれてきました。
満ち欠けを繰り返し夜空に浮かぶ月の姿は、われわれ人類の祖先が未だ言葉を持たなかった頃から驚異と神秘の源泉だったのではないでしょうか。
やがて言葉を持ち、文字を手にした人類が月について数限りなく語り、記した神話や物語の一部は今もわたしたちに伝わり、風情と共に様々な思いを抱かせてくれます。
それは同時に天文学や農耕、航海など、実利的な共同体の発展のための技術でもありました。
以降人類は月がもたらす、魔術や狂気などの神秘的な側面と農耕や航海などの相反する2つのイメージを伴いながら、人類と共に歩んでいくことになります。
近代以降では、非科学的なものは排除され、月の持つ呪術的な側面は否定されたかに見えましたが、
SFや幻想小説などの題材に取り上げられて数多くの傑作が世に出て多くの人々に読まれています。
科学的な面では20世紀・1969年に人類は月面着陸を果たしました。
それは冷戦下の米国とソ連の間で行われた宇宙開発競争および月面着陸競争の産物ではありますが、日本を含む多くの国々の子供たちに未来への憧憬を抱かせたのは間違いなく確かでしょう。
私たちの住む日本では、主に漫画やアニメなどでも月世界が舞台(機動戦士ガンダムのフォン・ブラウン市やグラナダ等)になったり、さまざまな形で描かれてきました。
今後、人類が技術的特異点を迎えるにせよ、「ホモ・デウス」で書かれたような人間を超越するポスト・ヒューマンが地球を支配するにせよ、月は人類の歴史が終わるときまでは地球と共にあり続けるのではないでしょうか。
月面に都市や基地はできるかもしれませんし、想像できないような宇宙戦争が起こるかもしれませんけれども。
ぼんやりと月を眺めながら、そんなことを思いました。