嫌なことがあると一日が台無しになったような気がしませんか。
内向型と言われる人や、HSPと呼ばれる気質の人なら尚更です。
トラウマや(PTSD)になるほど衝撃的な事件ではなくても、私たちの日常には「嫌なこと」がけっこうあります。
たとえば…
行列に割り込まれたり、
同僚やママ友にマウントを取られたり、
身に覚えのない請求(架空請求)のメールがあった際なども、無視すればいいと言っても嫌な気持ちは残ります。
人によっては宗教の勧誘や訪問販売にも嫌悪感を示す人もいるでしょう。
接客業であれば、クレーマー気質の客の欲求に悩まされることもあるでしょう。
グルグルと思い出したように「嫌なこと」が沸きあがってきて、何度も嫌な気持ちになるようなケースもあるのではないでしょうか。
そのような「嫌なことを忘れる方法」についてまとめてみました。
嫌な記憶の消し方(内向型、HSP向け)
嫌な気分になったときは、バーッとスッキリしたいですよね。
社交型の人だったら、友達と飲みに行ったり、プラっと気分転換に旅行なども良いでしょう。
そうもいかないのが内向型のツラいところです。
特別に親しい誰かに愚痴をこぼしたり、思い切って泣いてみるのも効果的かもしれませんが、問題の根本的な解決にはならないでしょう。
1人になったときに、ふと嫌なことを思い出してしまうこともあるかも知れません。
内向的な人の気分転換は以下の記事にまとめてありますので、こちらも参考になるかと思います。
当記事では、気分転換ではない解決法を探していきます。
嫌なことを思い出すのは、脳が「大事な記憶」だとカン違いしているから
脳は意外とすぐに忘れてしまう性質があります。
一週間前に食べた夕食のメニューを覚えている人が稀なように、人間は忘れっぽい生き物です。
ですが、「メチャクチャ美味しかった料理」「激マズだった料理」「生まれて初めて恋人とディナーを楽しんだ日」のことならば永く記憶に残るでしょう。
そこには感情が伴っているからです。
大したことのない経験でも、強い感情が伴ったことは忘れられない記憶になります。
たとえば3日前にグラスを落として割ってしまったとします。
ケガはしませんでした。
自宅でお気に入りのグラスを割ってしまった場合と、100均で買ったようなグラスでは損失感は違うでしょう。
起きてしまった「嫌なこと」が、どんなことであれ、感情を抜きにしたらただの現象・事実に過ぎません。
脳は「感情」が伴った経験を「大事な記憶」として、定着させるために働きます。
楽しかったことに比べ、嫌なことの方が記憶に残りやすいのは危険を回避する意識が働くからです。
もう二度と同じ体験をしないように「気をつけろ」と脳が注意喚起を促しているのです。
嫌なことを何度も思い出してしまうとき、そうした「記憶を定着させるメカニズム」が発生しています。
理不尽なことが起こると、不安になったり、モヤモヤしたりする人は多いでしょう。
これも忘れないように何度も思い出させるように繰り返し思い出させるわけです。
「問題は解決してないぞ!」「気をつけろよ」と…。
記憶の定着をさまたげることができれば良いのですが、実際には難しいでしょう。
そんな時に実践してみて、効果的だと感じた方法をいくつか紹介します。
嫌なことを忘れるために「焦点」をずらす
記憶には4つのステップがあります。
情報の取得→記憶の固定化(感情を伴うと強烈に作用する)→記憶の再固定化
この流れで脳は記憶を固定していきます。
逆に考えれば、このプロセスを遮断すれば、脳は物事をすぐに忘れていきます。
嫌な気持ちが沸き起こって来た時…
「もう終わったこと!」
「解決した問題だ」
「忘れよう!」と強く思うことは効果的です。
掛け声のように思考停止で叫ぶような感じで心の中で言ってみましょう。
実際に声に出してみるのも効果的ですが、周りの人に聞かれたら超恥ずかしいので状況を見て。
その際、また嫌な記憶を連想させないように、思考の流れを断ち切ったり、焦点をずらす方法と合わせると一層の効果があるでしょう。
嫌な気持ちが湧き上がってくるときは、大抵ヒマな時間です。
流れ作業のふとした瞬間に思い出すケースも多い気がします。
そんなことを思い出す暇を脳に与えないために、何か別のことに集中するのも効果的でしょう。
モヤモヤした感情を運動で吹き飛ばす方法もアリでしょう。
それでも「嫌な出来事の記憶」は私たちを追いかけてくるかも知れません。
そんな時は、別のことに無理やり意識を持っていくのも手です。
サブモダリティチェンジ!
ちょっと聞き慣れない言葉ですが、サブモダリティとは何でしょう?
人は外界を五感を通じて認識する際、視覚、聴覚、体感覚などで感じた
様々な構成要素を組み合わして記憶しています。これらの構成要素のことを、
NLPではサブモダリティー(従属要素)といいます。引用元: NLP用語集 サブモダリティ
モダリティとは「五感」のことです。
たとえば黄色×黒の色の組み合わせが視界に入ったとき、私たちは反射的にスズメバチや踏切などの危険を知らせる警戒色を思い出します。
逆に青×白の色の組み合わせならば、青空と雲のようなさわやかな印象を受けるでしょう。
色に限らず、音や味、匂いにもそれぞれ付随してくる感覚があると思います。
視覚のサブモダリティー...色、形、明るさ、彩度、動き、距離、位置
聴覚のサブモダリティー...音の大きさ、音程、音のスピード、リズム、音の聞こえる位置
感覚のサブモダリティー...温度、湿度、感触、重さ、圧力引用元: NLP用語集 サブモダリティ
一般的に「楽しい思い出」は、明るい色合いや温かい温度、陽気な音楽などのイメージを伴って思い出されるのではないでしょうか。
逆に「嫌な思い出は」どんよりと暗い色彩や寒さを感じたり、物哀しい音楽などのイメージと共に思い出されるのではないでしょうか。
あるいは、激しい怒りは落石やマグマのような荒々しいイメージや激しい音楽を連想させるのではないかと思います。
たとえばこのイラストのように、人に叱責されて嫌な気分になった。
それを何度も思い出してしまうという事があるかと思います。
嫌な思いがフツフツと湧き上がってきたときは、その現象のイメージを頭の中でこんなふうに変換してしまいましょう。
こんな風に頭に思い浮かんだ視覚のサブモダリティをキューっと縮小させるような思考ができると、気持ちは楽になります。
聴覚のモダリティが得意な人であれば、音のイメージを変換します。
たとえば叱責されたときの声が耳に残るようなら、オーディオの音量を下げるイメージでどんどん小声にするイメージを持つのも良いでしょう。
心に引っかかったありとあらゆるモヤモヤ感を、スーッと縮小していくような思考を身につけると、嫌なことを
繊細で感受性が強いHSPと呼ばれる気質の人は、想像力が豊かな傾向があるので特におススメです。
五感にともなう従属要素サブモダリティを駆使して、嫌なことを縮小し、消し飛ばしてしまいましょう!
まとめ
内向型・HSPの方に特化した内容で、嫌なことを忘れる方法を紹介してみました。
お金がかからず、なるべく具体的で再現可能な方法を選んだつもりですが、いかがでしょうか。
「忘れよう!」
「もう終わったこと!」
「次行こう! 次!」
思考停止の掛け声とともに、嫌な気持ちから焦点をずらすのが最大のコツです。
そうは言っても人によっては難しいかもしれません。
嫌なことって、強烈に記憶に残りますからね。
それでも、ほんのわずかでも記事を読んだ方が、嫌な気持ちから解放されることを願ってやみません。