内向型と外向型の違いを一言でいうならば、刺激に対する感度の差でしょう。
自分の内側からエネルギーを充電するのが内向型の特徴です。
外向型は、外側にある人や出来事からエネルギーを充電します。
内向型の多くが1人でいることに苦痛を感じませんが、外向型だと退屈してしまう人が多いです。
逆に大勢の人と会うことは外向型には苦痛に感じませんが、内向型では疲れてしまう人も多いでしょう。
もちろん両者はカッチリと極端に分けられるわけではなく、内在型と言われる両方の特性を併せ持った人もいます。
おおよそ日本人の3割程度が内向型だと言われています。
内向型は少数派です。
しかしながら、この割合以上に内向型にとって現代日本は生きづらい社会なのではないでしょうか。
なぜなら社会が求める「良い」とされる価値観は、外向型に向いているからです。
特に恋愛においては、内向型は不利な傾向があります。
日本独自の「告白文化」があるためです。
内気だったり、打ち明けられないまま関係が築けずに終わるパターンは少なくないはずです。
当記事は、社交型と内向型の恋愛観の違いについて考察しています。
もちろん内向型、外向型だから「こう!」と決めつけるものでもありません。
あくまでも両者の特徴を述べた上での比較、考察を行っています。
内向型は恋愛が苦手?
内気なタイプき恋愛が苦手?
結論から言えば、絶対にそんなことはありません。
少数の気の合う人との関係性を大切にする傾向が強い内向型は、1人の人を大切にしたいという思いが強いです。
ただし心底からその人を好きな状態でないと、冷淡だったり素っ気なかったりするのが内向型の良くない点です。
内向型同士のカップルの場合、お互いを気づかい合う信頼関係が築けさえすれば、円満な恋愛を長く続けることができます。
内向型×社交型カップルも、お互いの資質の違いを理解し合えば、良いカップルになれるでしょう。
ただ、どちらか一方の欲求だけを受け入れ続けると、関係の維持は難しくなります。
無理をする形になりますからね。
いつかどこかで不満が爆発するでしょう。
個人的な見解ですが、円満で長く続く恋愛関係は内向型の方が向いているような気がします。
では、どうして「内向型は恋愛が苦手」という風潮があるのでしょう?
現在はマスコミやブライダル業界などの影響で恋愛に対するハードルが著しく上昇しています。
スペックに満たないから、と言った理由で自分から身を引いてしまう内向的な人は少なくありません。
また、相手を気遣うあまりに告白する機会を逸してしまうパターンが多く見られます。
日本独自の「告白文化」も内向型を尻込みさせる原因の一つでしょう。
中には気づいたら付き合っていた…なんて幸せなケースもあるようですが。
内向的な人と片思い
内向的な人にとって、恋愛の基本は片思いではないでしょうか。
もちろん外向型だって片思いはします。
ですが、長く恋こがれて苦しい思いをする割合は圧倒的に内向型の方でしょう。
内向型は自問自答をしてしまいがちなので、心の中で舞い上がったり、消沈したりと脳内は常に忙しいものです。
想い人とのささやかな接触や、些細なすれ違いに心を痛めたり…。
思いを伝えられないまま終わる恋もあります。
それを後悔する人もいれば、秘めた恋を生涯の宝物とする人もいます。
打ち明けられなかった片思いは「負け」なのか?
世の中に蔓延している「告白できなかった片思い=失敗」みたいな一方的な価値観にはちょっと違和感があります。
本人が成長したり、気づいたり、人生が豊かになるならば、「言わなかった告白」もまた、ひとつの恋愛の形ではないかと。
当ブログにいつも感想を寄せてくださる一読者様よりいただいたメッセージの中で、とても興味深いものがありましたので引用させていただきます。
この方は中学生の頃、同じ学校の女の子(Aさん)に片思いをしたそうです。
でも、打ち明けないまま卒業してしまったそうですが、後悔はないと明言されています。
その理由を、引用させていただきます。
「小学生のとき、同級生の女子の数人から何回も嫌がらせやからかいをされた経験があり、「同学年の女子たちってこんな意地悪でドロドロした奴らばっかりなのかな」と小学生ながら異性に対し半ば本気で失望しかけていましたが、中学に入り、Aさんに出会い、彼女と同じクラスになり、内面のいろいろな部分を知ってからはその歪んだ思いは気づいたら消え去っていて、異性に対するイメージがいい意味で180度変わりました」
「恋愛感情と併せ、同い年であるのにもかかわらず畏怖・尊敬という相反する気持ちも無意識のうちに芽生えていたので、その彼女に直接自分の想いを伝えるのはおこがましくて無粋極まりない行動だと思い、自分の私的感情に彼女を付き合わせたくないと強く心に誓い、最後までそれを守りきる道を選びました」
この体験談に私が心を打たれたのは、片思いで終わる恋であっても美しいものは美しいと思ったからです。
恋愛は「告白して付き合うこと」だけがハッピーエンドではないと思うので。
快く引用を承認していただいた読者様には重ねてお礼を申し上げます。
貴重な体験をありがとうございました。
内向型にとって男女ともに「告白」は精神的な限度を超える一大事!
大抵の場合は、男性から
「お付き合いしてください」
等の告白をして、承諾されると晴れてカップルになるわけですが、このタイミングは難しい。
何度もデートしていて…というものから、電車で見る他校の生徒から突然…というものまで、
ありとあらゆるケースがあります。
女性側からすれば「えっ? 予想外!」ということもあれば、「いよいよ来たか〜」というものまで様々でしょう。
告白した方もされた方もその日一日、頭がいっぱいになるような大事件です。
ましてや内向型にとっては、告白の時の空気の重さは想像しただけで恐ろしいものがあるでしょう。
ある種の採用試験みたいなプレッシャーがかかる場面です。
告白のハードルの高さこそが、内向型が恋愛に向いていない、苦手というものの正体です。
たぶん「若者の恋愛離れ」の何割かが告白文化のハードルの高さと関連しているのではないでしょうか。
80年代という時代を詳しく知りたい方は、こちらの記事もオススメです。
当時を代表するアニメや漫画を紹介しながら、80年代文化を掘り下げています。
現実問題、信頼関係を築けて付き合えてしまえば、内向型の恋愛はうまく行くことが多いです。
恋愛に向いていない内向型の特徴
個人的には、誠実な恋愛に向いていると思う内向型ですが、注意しなければならない点があります。
それは内向型が自分の世界、1人の時間を大切にするあまり、相手の過干渉を嫌がる性質があることです。
近年では、離れていてもSNSで四六時中やりとりは交わせますので、あまり頻繁だと面倒に感じる人は多いはずです。
それに加え、男女を問わず内向型は理想が高い(というか現実離れしがちな)傾向があります。
現代社会ほど他人のルックスが(SNS等で)可視化された状態はなかったでしょう。
昔だったら、クラス上位のイケメンか、もしくは芸能人かバンドマン、すれ違ったイケメンくらいしか男性の美形を目の当たりにする機会はなかったです。
芸能人やアスリート以外の一般女性であれば、クラス上位のカワイイ女子、看板娘など各町で話題になるような美女のうわさが上がるくらいでした。
日本中に美男美女はいたでしょうが、彼らを一斉に目の当たりにする機会なんてありませんでした。
ところが、インスタグラムやYouTubeなどでの高い影響力を誇るインフルエンサーと呼ばれる人の中にはルックスを売りにする人もたくさんいます。
私たちはかつて人類が経験していないような「たくさんのイケメンと美女」を目の当たりにする社会で暮らしているわけです。
しかもカラーコンタクトや画像編集ソフトのおかげで、素体よりも盛った美男美女が今この瞬間にも画像や動画をアップロードしています。
この影響下では当然理想のハードルは上がります。
内向的な若年層は、理想のハードルが上がってしまい、現実の恋愛に興味を失うケースもあるでしょう。
しかも、皮肉なことに現在では恋愛や結婚が必ずしも必須ではありません。
「1人の時間を好む理想の高い人」にとっては現実の恋愛は面倒くさいだけではないでしょうか。
このタイプは恋愛に向いていないと言わざるを得ないでしょう。
1人でも充実した人生を生きられる時代ではありますけれども。
外向型の恋愛は要注意?
人と会うことがエネルギーになる外向型の人は、恋愛に対しても積極的な傾向があるのは自然なことです。
もちろん中には皆で仲良く楽しむのが好きだけど、1人の誰かとずっと一緒にいるのは疲れる…という社交型の人はいます。
社交型は日本独自の「告白文化」にも自然と対応できるでしょう。
緊張と刺激を伴う瞬間を、外向型は嫌いじゃないでしょうから。
人によっては「何度もアタックしよう」なんて思う猛者もいるでしょう。
「フラれたら次行こう」なんてアッサリ切り替えられる人も少なくないでしょう。
本質的に強い刺激が好きな外向型の恋愛は、熱く燃え上がるときと醒めたときの落差が激しいのも特徴です。
ハッキリ言ってしまえば、浮気の問題があります。
外向型は強い刺激を求める性質があるので、落ち着いた恋愛を「退屈」だと感じる人もいるでしょう。
もちろん誠実な社交型の方が大多数でしょうし、責任感や思いやりのある人もたくさんいます。
ただやはり、外でエネルギーを得るタイプの人は、内向型と比べてどうしてもアクシデントが起こりやすい環境にいます。
もちろん内向型でも浮気をする人はいます。
割合としては社交型より少ないとは思いますが、内向型の浮気はより深刻です。
内向型は基本、強い刺激が苦手ですから、そのハードルを越えるのはよほどの事があるわけです。
対して社交型の浮気は軽い出来心が大多数で、つい…みたいなパターンでしょうか。
恋愛に関するコンプライアンスは昔と今では全く異なります。
昭和の時代ならば「ほんの些細な出来心」「火遊び」で済んだ浮気ですが、令和の現在では通用しません。
破局、家庭崩壊、果ては職を失う原因にもなりかねない「重大な過ち」と多くの人に認識されています。
片思いの概念がない人
ちょっと極端な事例になりますが、友人に「片思いの概念がない」人がいるので紹介させてください。
彼は、恋愛を「付き合っている」か「フラれた!」という状況でしか理解できないそうなんです。
「可愛いな」と思った女性には、すぐにデートに誘って、断られたら次に行くタイプです。
行動が先に立つ人で、「想う」ということが何なのかイマイチ理解できないそうなんです。
もちろん恋愛関係になれば大切にするしプレゼントも渡してるようですが…
片思いをテーマにした漫画も読んでますが、あくまでも物語に焦点がいくようです。
「こいつらくっつくのかな?」
「良しッ! くっついたハッピーエンド」
「ダメだったか。でも話は面白かった!」
物事を必要以上に深く考えず、衝動的で冒険が大好き。でもすぐに飽きてしまうタイプである非HSP/HSS型に分類できるようです。
友人のケースを紹介したのは、世の中には思いもよらない恋愛観を持っている人が意外と多いという事を伝えたかったからです。
本当に人の恋愛観は千差万別です。
まとめ
以上、内向型と社交型の恋愛観の違いを述べてみました。
当ブログは「内向的な人のため」の内容で、筆者もかなり内向型です。
社交型に対しては厳しめな内容となってしまいましたが、両者の対立を助長する意図はありません。
むしろ違いを浮き彫りにすることで、お互いの合わない点を理解して受け入れる一助になればと思っています。