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マンガ描きが押さえておきたいマンガ10選

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描くために読むべきマンガとは

マンガを描いている人が、描こうと思ったキッカケって何でしょう。友達がほめてくれたから? 絵を描くのが好きだから?

まちがいなくマンガ描きの第一歩は、誰かのマンガを読んで魂が揺さぶられた瞬間でしょう。

キッカケとなった作品は人それぞれであり、時代と共に変わっていくかと思いますが、ある程度マンガを描いている人に、是非読んでほしいマンガを10本紹介したいと思います。

古い作品ばかりなのはご容赦ください。評価が定まっている巨匠たちの作品の方が語りやすいのです。

マンガ表現は進化し続けています。特に最近の作品の絵づくりは本当に素晴らしいの一言です。

しかしながら、描き手として先人が切り開いてきた表現を知り、敬意と共に学んでいくのも大切なのではないでしょうか。

古典的名作マンガから何を学ぶか?

絵作りの参考と表現力をさらに豊かにするために読むマンガ、的確な演出を学ぶために読むべきマンガ、巧みな構成とストーリーテリングを身に付けるために読むべきマンガ、漫画を描く人には自信をもってオススメできる評価の定まった『描くために読むべきマンガ10選』です。

あくまでも表現の幅を広げるために参考となるマンガであって、売れるために読むべきマンガではないですので、ご了承ください。

流行のマンガとは絵柄も表現も何もかも違うかもしれません。派手なバトルや過激なシーンがあるわけでもありません。

今のマンガ好きの「読者」には正直オススメできないマンガばかりです

しかしながら、マンガを描いている人、表現者を目指す人にとっては参考になるマンガ作品だと断言できます。

古典を身に付けると書き手の寿命は延びます。

売れなくても描き続けることができるようになります。

それが良いか悪いかはまた別の話ですが…。

描き手の力になればと思ってこの記事を書きました。

なお、今回の記事ではなるべく短編集~中編に絞って紹介しています。また、マンガ技法書は取り上げてはいません。

具体的なネーム上達法はこちらの記事をご覧ください。

漫画 ネームが上手くなる方法

マンガの上達法は意識的に読み、徹底的に描き続けることです。

私のようなハンパ者が偉そうなことは言えませんけれども、天才ではないからこそ、気づけた部分もあると思いますので。

確かな表現力を学ぶための4作品

①藤子・F・不二雄「SF・異色短編集」全4巻

ハードな設定の『ミノタウロスの皿』何ともやるせない『ノスタル爺』余韻が美しい『老年期の終り』ロマンあふれる物語『ユメカゲロウ』等、珠玉の短編集です。

国民的マンガ『ドラえもん』でしか藤子・F氏を知らない読者はきっと驚かれるのではないでしょうか。筆者も長い間こども向け(わかりやすい)的なイメージを持っていたので、SF短編集を読んだ時には「すげぇ! 」って腰が抜けかけました。

それでいて表現は平易で、子供の語彙力でも十分に理解できる内容なんですよね。個人的なそんなことも含めて意外性に富んだ作品群であり、いい短編を描くためにも是非とも参考にしてほしい作品です。

マンガ描きがこの短編集から学ぶべき点は、アイデアをうまく作品に落とし込んで物語を展開して着地させる手腕です。

②坂口尚短編集

すさまじいと言えるほどに卓越した画力と表現力、詩情あふれる豊かな表現を学ぶなら坂口尚氏でしょう。現在では入手が難しかったり価格が高騰しているものもありますのですが、マンガ描きだったら絶対に読んでおいてほしい漫画家です。『あっかんべえ一休』『石の花』等の代表作も大傑作なんですが、ちょっと重厚すぎて現代のマンガ読者、ライトな描き手さんには正直とっつきにくい印象がどうしてもあります。筆者も十代の時に読んだ際には難しくて理解しきれませんでした。ただ、画力と詩情には圧倒されました。もしあなたが腰を据えて本格的に漫画を描いてみたいというならば避けては通れない作家です。

この作品から学ぶべき点としては、圧倒的な表現力とイマジネーションですね。読むたびに発見があります。

③風と樹の詩 白泉社文庫版 全10巻

BLの元祖とも言われている作品ですが、キャラクターの魅力と性格的なバックボーンの掘り下げがすばらしく、むしろ清らかに昇華された美しい物語といった印象を持ちました。しかしながら人によっては初出が76年と40年以上前の作品でもあり、現在のマンガ表現に慣れた読者にはやや取っつきにくい印象を与えてしまうかもしれません。男性でしたら少女漫画を読むことに抵抗があったり、読みにくいと感じることがあるかもしれません。ただ、実は少女漫画から学ぶことは多いんですよね。キャラクターの魅力は言うまでもなく、読者の共感を得るような感情表現は女性向けと言われる作品の方がスゴイものが多いです。

ちなみに筆者の場合ですと初めてこの作品に触れたのは06年くらいでしたが、絵柄を含めて全く古さを感じさせずに一気に読みました。それも号泣しながら…。

マンガ描きがこの作品に学ぶべき点は、キャラクターの掘り下げと画面から出る空気感です。

読み手の心を揺さぶる演出にも注目です。

スゴイ作家の初期作に学ぶ

マンガを学ぶ上で一般的に重要視されてはいないかも知れませんが、巨匠たちの始まりの一歩を知ることはかなり参考になるのです。

問答無用でスゴイ作家の初期の短編集は、スタート地点でも漫画力がすごいのでわが身の未熟さと比べると泣きたくなりますが、完全無欠に見えるのあの作家さんも新人の時はこういう表現をしていたのか、等気づくことは多いと思います。

武道にも言えることですが、マンガ家の力量も実力差がありすぎると相手の凄さが分からないことがあります。

 

いま商業誌で大ヒットを飛ばしている作家の技(絵はもちろん視点誘導とか展開の緩急)がまだ未完成だった時の方が、自分と比較しやすいのできないでしょうか?

 

大作家と駆け出しを比べるなんて僭越なことに思うかもしれませんが、雑誌に載ったらライバルなのでプロを目指すのであれば避けては通れません。

『スピカ 〜羽海野チカ初期短編集〜』

⑤『初期のUrasawa』

⑥『九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子』

⑦『Present for me 石黒正数短編集』

今回は筆者のオススメとしてこの3作のラインナップでしたが、自身の好きな作家で初期作品を未読でしたらこの機会にぜひ読んでみることをおすすめします。

あとはジャンプ系作家の投稿作品や新人賞受賞作品が掲載されている単行本はマンガ描きならばチェックしておくべきです。

少年誌の作家は若い受賞者が中心のため粗削りな作品が多いですが、短編一作ごとにどんどん成長し、研ぎ澄まされていく過程も参考になるのでおすすめですよ。

漫画家マンガで魂に火をつける

⑧G戦場ヘヴンズドア

➈燃えよペン

➉まんが道

言わずと知れたレジェンド達による漫画家マンガ。あえてコッテリ系を選んでみました。漫画家らしさって何でしょう? 筆者は貪欲なまでの向上心とサービスの過剰さにあると考えています。

くじけそうな時、漫画家マンガを読むと良いですよ。

自分もそこに行くんだと決意を新たにしましょう。

なお、『バクマン』に関しては多くの人たちが読んでいると思うのであえてここでは取り上げませんでした。

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まとめ

いかがだったでしょうか。マンガは絵、キャラクター、ストーリー、構成、センス…いろいろな要素で成り立っているため、全て解決するにはコレ! というノウハウがありません。

何本も完成原稿を仕上げていると間違いなく上手くなっていきますが、どの才能が伸びるかはその人次第です。

ここに挙げた10本だけでなく、たくさんのマンガから多くを学んで描いていきましょう。

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