グルメ漫画に限らず、おいしそうな料理の絵が描けると表現の幅が広がります。
ですが、食べ物の絵は絵に自信がある人でも意外においしそうに見えなかったり、地味に難しい表現ではないでしょうか?
そんなデジタルイラスト初心者~中級者向けに、食べ物の描き方を解説してみます。
美味しそうな食べ物の描き方(唐揚げ編)
基本的なレイヤー機能で描けるPROおよびDebutでも再現可能な内容になっております。
PhotoshopやSAI等、そのほかのイラスト作成ソフトでもレイヤー構成ができ、「乗算」「オーバーレイ」「スクリーン」にあたる機能があれば再現可能だと思います。
なお、今回資料に使用した写真は市販の冷凍唐揚げニチレイフーズの「特から」を自前の皿に盛って撮影したものです。
描画はすべて私サトミケンゴが行いました。
アタリを取る
ザックリと輪郭を描いていきます。自分で撮った写真や著作権がフリーのものであれば、トレスしてもいいと思います。
この段階では細かいところは特に考えなくても大丈夫です。
主線を入れる
描き手さんの個性・タッチにもよりますが、主線を黒でクッキリ描いてしまうと、「塗り絵」みたいな感じになってしまうので、リアルに仕上げたいときは
主線は対象のカラーで描くのがいいかと思います。
白黒の漫画の場合も含めて、リアルな背景を描くときは、光の当たっているところの線を飛ばす(描かない)ことがコツです。
着色する場合も、光源を意識することが大切です。
メインカラーで塗りつぶす
主線を塗りつぶした唐揚げのベースです。ここまでは同じレイヤーで作業しました。
乗算レイヤーで影を描き込む。絵心に自信がなくてもブラシでカバー。
主線と塗りつぶした唐揚げのベースの上に、乗算レイヤーを開きます。
乗算レイヤーとは、クリップスタジオなどお絵かきソフトの機能にある、レイヤーの合成モードです。
影のつけ方はお手本の写真を見ながら、チョコチョコと塗っていきます。
乗算レイヤーだと、ベースの色と同じ色を塗るだけで影の色になるので便利です。
ただ、こればかりは「コレだ!」という正解がないので、あくまでも描き手さんの納得のいく影をつけていくしかないです。
クリップスタジオPAINTの場合ですと、様々なブラシが用意されており、また無料でダウンロードすることもできます。
どんなブラシを使っても、それっぽく見えたらOKです。
「にじみ縁水彩」などのブラシを使うのもオススメです。
美味しそうに見せるコツはテカリにあり! いちばん難しいポイント。
オーバーレイレイヤーとは
「下に塗った色が明るい場合は、より明るく」
「下に塗った色が暗ければ、乗算のように暗くなる」効果があります。
冗談のように聞こえますが、絵を描く上で大切な考え方なので記しておきます。
思い込みは超・重要です!
美大の予備校講師などが実際にアドバイスしているそうですよ。
スクリーンレイヤーでハイライトを
ハイライトを入れる際は、白っぽい色で塗っていくのですが入れすぎると竜田揚げっぽくなるのでほどほどに。
一応、これでサンプルは完成です。使用したレイヤーは以下の通りです。
コピペで増殖!
後はコピペで増殖してお皿に盛った感じを出せば完成ですが、注意点があります。
そのまま増殖させてしまうと、いかにもコピーしましたという絵になりますので、自由変形などを使って形を変えたり、積み重ねる向きを変えたりするといいでしょう。
以上、ザックリとではありますが唐揚げを描いてみました。
後は上にもう一枚レイヤーを開いて湯気などを描き加えるともっとおいしそうに見えます。
まとめ
いかがでしたか。
何度も言いますが、食べ物を美味しそうにコツは普段から食べ物に親しむことです。
「好きこそものの上手なれ」という言葉がありますが、絵が好きな人の中にも様々な趣味嗜好があるわけです。
食べ物に限らず、自分の好きなものを描く場合は本来の画力以上に上手く描けたりするものです。
なので、画力の上達を望む人は絵の練習もさることながら、もっともっといろんなものを好きになるのがいいと思います。
参考になりましたら幸いです。