何となく話がかみ合わないという人がいます。
共通の話題を話していても、どこかズレてしまう。
誤解までは行かないんだけど、どうも話してて腑に落ちない。
決して嫌いとまでは行かないけれども、何かが違う。
モヤモヤすることもあるかと思います。
職場の同僚であれ、友人でもあり得ることです。
下手をしたら家族でさえ何となく会話がかみ合わない時もある。
その原因と対処法を考察します。
そもそも、なぜ話がかみ合わないのか
話がかみ合わないのにはたくさんの理由があります。
人は誰しも生まれ育った環境も様々です。
性格や趣味に価値観、人生観だって十人十色でしょう。
感動した映画だってそれぞれ違うし、読んできた本も違います。
映画も本も見ない、という人もいます。
子供の頃から何不自由なく過ごした人もいれば、苦労した人もいます。
他人を見下す人もいれば、卑屈な人もいるし、素直な人もいるでしょう。
カンタンに述べてきた中でも、絶望的に人間は人それぞれです。
誰一人として同じ人間はいないのですから、話なんてかみ合わなくったって当たり前です。
文化系と体育会系の話の考え方の違いは、以下の記事にきとめました。
そんな私たちをつなげてくれるのが言葉です。
日本語でも英語でも、共通の言語さえあれば「会話」は可能です。
会話のかみ合わないパターンをいくつか分類してみましょう。
相手の言いたい事と、こちらの聞きたいことがかみ合わない。
論点が整理されておらず、話の方向性がコロコロ変わる会話があります。
もしかしたら相手は、ただ自分のことを話したいだけかも知れません。
ですがこちらはそこまで相手に興味がない場合、おそらく会話はかみ合わないでしょう。
ガッツリと中身のある会話が好きなタイプもいれば、脱線も含めてフワっとした雰囲気を楽しみたい人もいるでしょう。
それは人それぞれで全く問題ではないと思います。
たとえば、睡眠時間について話すとします。
「何時間くらい寝てる?」
「私は8時間寝ないとダメで…」
「6時間かな」
「ショートスリーパーって体壊すのかな?」
みたいな会話の流れの中で…
「自分は低反発の枕じゃないと眠れないんですよ」
と、睡眠時間から少しズレた自分の枕の話をするケース。
まだ睡眠と関連づけられているのでセーフかも知れませんが、微妙な空気になるかもしれません。
これはまだ可愛いものですが、実際にはとんでもなくかみ合わない会話と言うのもあります。
好きなミュージシャンの話をしているはずが、相手は昔付き合っていたバンドマンの悪口しか言わなかったり…。
相手の話したい方向性に合わせて、こちらの聞き方を変えれば会話は成立すると思いますが、何となくモヤッとしてしまうかもしれません。
どちらかの、あるいは両方の説明(確認)不足
これは物事の前提について、自分だけが分かっている場合に起こりやすいのではないでしょうか。
「Aの事例は、こういうものだ」という前提は、相手は知らないかもしれません。
相手に伝えるためには、分かりやすく情報を整理し、確認しなければなりません。
「この間のAの事例の件ですが…」
しかし目上の相手だったり、上司だったりする場合は生意気ともとられかねないので気を使うところです。
逆に自分が部下に言うときも、あんまり上から目線だったら反感を買うかもしれません。
説明(確認)不足は、相手のことを思ったり、遠慮したりする場合にも起こりうることでしょう。
ましてや、普段から苦手だなと思ってる人が相手だと尚更です。
どうしても言葉数は少なくなるし、そもそも顔を合わせる頻度も少なくなるのではないでしょうか。
こうなるとかみ合わない相手と益々かみ合わなくなってしまいます。
普段から人と話すことが好きな人からみたら「なにそれ?」という次元の話かもしれません。
でも内向型だったり、コミュニケーションが苦手な人だと、
感情の落としどころが違う
たとえばお店で10%の割引クーポン券をもらったとします。
これをどう思うかは人それぞれでしょう。
「ちょっとお得かも♪」
「たった10%引きかよ」
「この手のクーポン結局使わないんだよな」
単純に嬉しい人も、そうでない人も様々です。
中には「クーポン券のデザインって何か下品っぽい」なんてひねくれたことを思う人もいるかもしれません。
些細なことでも、人はこれだけ思うところが違います。
感情の落としどころが極端に違うと、話がかみ合わないこともあるでしょう。
人のミスがどうしても許せない人と、ミスはミスで割り切れる人とでは感情の温度差が違います。
「このミスを教訓を活かして問題点を修正。次からはちゃんとやろう!」
このような結論にたどり着いても、割り切れない人もいるかもしれません。
難しいところですが、メンタル・トレーニングは大切なのではないかと思います。
単純に話を聞いていない
単純に人の話を聞いていない場合もあるでしょう。
気心の知れた仲だったり、家族など近しい人の場合ですと特になんとなく生返事をして分かった気になることもあるのでは。
もしくは、逆にあまりにも自分とは立場が違う人と話すような機会でも、話を聞き逃すこともあり得ます。
憧れの人物や、有名人などと話した際に緊張のあまり人の話が耳に入ってこないこともあるでしょう。
実際、私はありました。
とある有名マンガ家さんを前に頭が真っ白になってしまいました。
キチンと受け答えしたつもりではいるのですが、相手が何を話されたのか自分が何を話したのか記憶が飛んでしまいました。
ここまで極端な例は稀かも知れませんが、相手の存在に引っ張られてしまうことは起こり得ることです
内気だったり、コンプレックスの強い人は特にそうしたことになるかもしれません。
こちらが取り乱したことが原因で話がかみ合わなかったということは実際にあります。
話がかみ合わない時の対処法
話がかみ合わない場合の対処法をいくつか紹介しましょう。
まずは相手の優先するものや感覚を見極めるという方法があります。
たとえば、A~Dさんと4人で富良野のラベンダー畑に行ったとしましょう。
この景色のどこに焦点が当たるか、人によって様々です。
視覚や聴覚、嗅覚などその人らとって優先される感覚は千差万別です。
中には青い空に焦点が行く人もいるでしょうし、ラベンダーが苦手な人もいるかもしれません。
この人は何に関心がある人か、ある程度は見当をつけるのは有効な方法と言えるでしょう。
普段からその人が話すときに何に焦点を当てるか、考えてみるのもいいかも知れません。
たとえば、○○と一緒に行ったとか、人に焦点が当たる人もいるでしょう。
○○を見た、○○の外観はこんな感じだったとか、視覚を優先させる人もいるでしょう。
○○の声や、○○を聞いたなど、聴覚を優先させる人もいます。
視覚型と聴覚型では、おなじ経験をしても感じ方が違います。
たとえばジェットコースターに乗った時もそうでしょう。
景色に目が行く人と、急降下のスリルを感じる人、絶叫する人、何となく感じ方が違います。
この辺を意識できるようになると、合わないポイントが分かってきます。
言うのは簡単ですが実践するとなると難しいことではあります。
注意深く人の話を聞くことです。
「感覚のクセ」「何に焦点が当たるか」のようなものを感じ取ることができます。
そして、お互いの気持ちのすり合わせを行う。
相手が乗ってきてほしいポイントを見極める。
そういう意識を持つことだけでも、かみ合わない会話の何割かは軽減できます。
人間関係に期待しない(相手の感情に依存しない)
これは人間関係のトラブル全般に言えることです。
私たちはほとんど無意識のうちに相手に期待をしてしまいがちです。
「自分はこう思ってる。相手もそうであるべきだ」
「彼はこうあってほしい」
「彼女はこんな人でいてほしい」
この考え方は、とても恐ろしいものです。
なぜなら自分と他人は考えが違って当たり前なのに、なまじ親しくなったからといって相手にも同じ価値観を求めてしまう。
相手がそうだとは限らないのに、期待してしまう。
当然、それが果たされないと「裏切り」だと感じてしまう。
相手に期待しないというのは人間不信とは違います。
自分とは違う価値観や人生観を肯定することです。
人間は違って当たり前という認識に立つことです。
その上でたまたま意見が一致したら、それはとてつもないラッキーなことではないでしょうか。
でも、たまたま今回は意見が一致しただけで、別の案件では真っ向から対立するかもしれません。
そんなのは当たり前のことです。
そう心掛けてはいても、人はつい「相手もそうであってほしい」と期待してしまう生き物ですし、難しいところではあります。
まとめ
話がかみ合わない原因と対処法をザックリと解説してみました。
人は育った環境も感じ方も価値観も千差万別なので、同じ言語で話してもズレが出るのはやむを得ないことです。
その違いを、相手に合わせたり空気を読んだりして巧みに話せるのがコミュニケーション強者と呼ばれる人たちでしょう。
内向的な人でも、コミュニケーションが苦手とは限りません。
ただ、人と接することでエネルギーを消耗してしまうタイプですので苦手意識を持つ方も多いのではないかと思います。
そんな方のために少しでも役に立てばと思い、当記事を書きました。
しかしまあ現実には極端にかみ合わないこともあるので、気休め程度にしかならないかもしれませんけれども。