これを観たら平成生まれでも80年代を語れる? コンテンツ15選
80年代リバイバルと言われて久しいですが、実際に80年代に生まれてない人には、あの時代の特色や、独特の空気感を知ることは難しいと思います。
当時を知るための手掛かりとなるポップカルチャーを紹介します。平成生まれの方でも、これらのコンテンツに触れれば80年代という日本のオタク文化、ポップカルチャーの雰囲気をつかめるのではないでしょうか?
ざっくりとですが、筆者が80年代を代表すると思う作品と、その理由を簡単に挙げていきます。
80年代を代表するポップカルチャー・コンテンツオススメ一覧
90年代についてはこちらの記事を参照ください。
アニメ
『超時空要塞マクロス』(82)…現在まで続く定番シリーズの第一作。主人公の描き方を含めて、大学生のアニメファンのノリが随所に現れているところが80年代をよく表しています。
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『魔法の天使クリィミーマミ』(83)色づかいがポップで、これぞTHE 80年代! リアル女の子から大きなオトモダチまで大人気でした。
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『ダーティペア』(85)カラフルな髪型のヒロイン2人によるドタバタ劇は、きわめて80年代的な「お祭り騒ぎ」感を醸し出しています。
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『王立宇宙軍オネアミスの翼』(87)ガイナックスによる劇場公開作品。設定等に非常にこだわって独特の世界観を構築しています。
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漫画
『うる星やつら』髙橋留美子 連載開始は78年ですが、80年代を代表する作品を1つだけ選べと言われたら、筆者は『うる星やつら』を推します。それくらい強い影響力でした。
『AKIRA』大友克洋 漫画にとどまらず、80年代のSF的ヴィジュアル・イメージをリードしたのは大友氏の作品と、リドリー・スコット監督の映画『ブレードランナー』でしょう。
『さすがの猿飛』細野不二彦 学園ドタバタギャグ+ヒロインというジャンルは80年代を象徴する漫画表現でした。『ハイスクール奇面組』と最後まで迷いましたが、より80年代らしさの点でコチラを。
『きまぐれオレンジロード』まつもと泉 鮎川まどかのキャラ造形が時代の空気を表しています。何の脈絡もなく主人公が超能力者という点も実に80年代的です。
SF・伝奇小説
『宇宙皇子』著 藤川桂介「うつのみこ」と読みます。いのまたむつみ氏の表紙絵が印象的です。古代日本や鬼、修験者といったキーワードは、女性を中心に人気でした。
『敵は海賊』著 神林長平 ドタバタだったりシリアスだったり、目まぐるしい展開のスペースオペラ。
『帝都物語』著 荒俣 宏 作品そのものよりも、映像化された作品も含めて「加藤」のキャラクターが与えた影響はすごいの一言です。
邦楽(アイドルソング)
80年代と言えばアイドル歌手でしょう。百花繚乱のごときアイドルからより「80年代ポップカルチャーらしさ」に絞って選んでみました。
松田聖子『青いサンゴ礁』(80)
いろいろな人も言及していますが、山口百恵に代表される70年代の雰囲気を一変させた曲です。
その後も何かにつけてお茶の間に流れ、あの時代といえばコレ! といった雰囲気を象徴する一曲と言えます。
小泉今日子『なんてったってアイドル』(85)
もはや説明不要の名曲ですが、「メタフィクション(自己言及的)」という80年代サブカルチャーを象徴する概念をあっけらかんと歌った点で選んでみました。
うしろゆびさされ組『バナナの涙』(86)
おニャン子クラブも80年代らしさ全開ですが、個人的にはアニメ奇面組のタイアップだったこともあるこちらを選びました。
ここに挙げたコンテンツの大半に共通するのが「軽快な物語、あるいはドタバタ展開」「明るさ、ポップな雰囲気」「お祭り騒ぎ」「無責任」「ときに行き過ぎた描写」です。
それでは、漫画『時空オカルト研究会』のメンバーとともに、80年代という時代そのものについても考察したいと思います。
80年代はどんな時代だった?
80年代初頭は70年代の雰囲気を引きずっていて、昭和の時代特有のギラギラした野性味が感じられました。
それが変わっていったのは85年のつくば万博の頃です。
街がポップでカラフルで清潔になっていったような印象があります。
80年代のテレビCMの特徴
80年代に生まれた商品やコンテンツ
80年代は団塊ジュニア(71~74年生)・ポスト団塊ジュニア世代(75~81年生)が、子供~ティーンエイジャーを過ごした時期になります。
全国各地にコンビニエンスストアが進出し、販路が拡大したことに加え、団塊ジュニア層への消費拡大も当て込んで次々と新商品が生まれました。
この時代に初登場した商品の大多数は時代と共に消えていきましたが、今に続く定番商品となったものも少なくありません。
若年層向けの娯楽作品の充実と現在に至る道が完成したのもこの時代です。
激辛ポテトチップスの登場
84年に登場した湖池屋カラムーチョは細切りでしたが、86年にはチップスタイプとして再登場。
90年代初頭の激辛ブームの火付け役になり、激辛ポテトチップスの定番となりました。
スポーツドリンクも日本ではこの時期に登場
80年に大塚製薬から発売されたポカリスエットは、自社で手掛けていた点滴用のリンゲル液を元に商品開発を進められました。
83年に対抗商品として日本コカ・コーラ社から発売されたアクエリアスと並んで、日本におけるスポーツドリンク普及の原動力になりました。
ファミコンブームと定番シリーズの登場
83年に任天堂が発売したファミリーコンピュータが社会現象になりました。
85年のスーパーマリオブラザーズ、86年のゼルダの伝説、ドラゴンクエストなど、今なお新作が作られるシリーズの第一作目がこの時代に生み出されました。
アニメ制作現場での革命
超時空要塞マクロス、王立宇宙軍オネアミスの翼の登場により、アニメ業界の革命が起きました。
70年代までのアニメ制作者たちとは違い、アニメを見て育ったマニア層が現場に入ってきたことで、それまでの「子供向け」を意識した作風・作画から、「自分達が観たいものを作る」「マニア向け」へと流れていく大幅な転換点でもありました。
また、この流れの大元を作った、79年に放送された『機動戦士ガンダム』が、再放送とプラモデルの『ガンプラブーム』によって人気が決定的なものになり、現在でも商品展開が続く強大なコンテンツとなったのです。
バブル時代の高校生の娯楽とは?
80年代の学校での話題の中心はテレビのバラエティー番組と深夜ラジオ
まとめ
1980年代のポップカルチャー・コンテンツオススメ一覧まとめ
- アニメ 『超時空要塞マクロス』、『魔法の天使クリィミーマミ』、『ダーティペア』、『王立宇宙軍オネアミスの翼』漫画『うる星やつら』、『AKIRA』、『さすがの猿飛』、『気まぐれオレンジロード』
- SF・伝奇小説 『宇宙皇子』、『敵は海賊』、『帝都物語』
- 邦楽(アイドルソング)松田聖子『青いサンゴ礁』、小泉今日子『なんてったってアイドル』、うしろゆびさされ組『バナナの涙』
80年代は、日本の若者文化にとって大きなターニング・ポイントでした。今に続くポップカルチャーの流れが定まったと言ってもいいでしょう。