君は、ゲーム攻略本を手にしたことがあるか?
80年代半ば~90年代にかけてのテレビゲーム揺籃期のことです。ゲーム攻略本が書籍のベストセラーに名を連ねたこともありました。
テレビゲームの内容が複雑化するとともに、膨大なデータに加え、設定資料やゲームクリエイターのインタビュー、果ては小説まで付属され、辞書ほどの厚さがある「攻略本」が、書店のコーナーの一角を占めていた時期もありました。
そんな攻略本の歴史と思い出を、1980年代から2010年代まで、4つの時代から時空を超えたおなじみの4人のキャラクターたちが熱く語り合います。
00年代以降は攻略サイトの存在で、攻略本文化は廃れてしまったわね
攻略本も、96年くらいからは設定資料とかキャラ設定なんかの資料的な側面を充実させる方向になってたけど
10年代ではスマホゲームの興隆で、テレビゲーム自体の需要が減っているかに見えますが…
でも17年のニンテンドースイッチのヒットなど、コンシューマーゲームはまだまだ元気です
80年代~ファミコン時代の攻略本
国民的RPGドラゴンクエストの生みの親・堀井雄二氏がライター時代に執筆していたことも今となっては語り草だ
でもお小夜。80年代は女子がゲームなんてしなかったでしょう
わたしの場合は弟がいたからね。男兄弟がいない女の子はゲームに触れる機会はなかったんじゃないかな
少年ジャンプだって女子が本格的に読みだすのは90年代じゃないか
今でこそ女性も当たり前のようにコンピューターゲームをプレイし、少年誌、青年誌での連載マンガ作品を(むしろ積極的に?)読んでいますが、80年代当初はまだ男女の娯楽文化に違いがありました。
コナミコマンドだな。初出は『グラディウス』だったっけ
でもさあレトロゲームって理不尽なほど不親切じゃない?
クラスの誰かがゲーム攻略本読んでたりするとあっという間に情報が伝わるわよね
「ファミコン神拳」伝承委員会 ホーム社 2016-05-20
90年代~ゲーム攻略本全盛期の思い出
コンピューターゲームが複雑化する中で、隠し要素などの追加とマルチエンディングの導入、キャラクターの育成法などを解説した完全攻略本が人気となります。
90年代と言えば格闘ゲームブームでしたが、格ゲーの攻略本は盛んだったのでしょうか?
いや。基本格ゲー好きはゲーム雑誌を見て、あとはゲーセンで腕を磨いているからな
ドラクエのエニックス※は出版事業も展開して完全攻略本を売り出したよな
※現・スクウェア・エニックス
『三国志』『信長の野望』の光栄※はかなり早い段階から自社で攻略本出していなかったっけ
※現・コーエーテクモゲームス
『大航海時代』完全攻略マニュアルはコラムも充実していて面白かった
ポケモンとかのメジャータイトルの攻略本は書籍のベストセラーにも名を連ねていたし
当時は小学校だったけど、本屋の攻略本売り場がすごく広かった
うん。スタジオベントスタッフの『解体新書』『アルティマニア』は辞書ほどに分厚かったけど
FFシリーズの大ヒット共にRPGといえばスクウェアという時代だったな
「黒本」とは ファミ通と編集プロダクションJK VOICEが製作した攻略本 『ファイナルファンタジータクティクス大全』のことです。詳しくは以下のリンク先をご覧ください。
“FFT黒本”「小数点以下の確率で盗める」21年目にして驚愕の事実発覚か 「スクウェアが資料にうそを入れた」
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1805/20/news024.html
引用元:ねとらぼ
JK VOICEは『タクティクスオウガ』の攻略本なども手掛けていて、巻末の用語集なんかは面白い内容だった
今はなきデジキューブでコンビニでもソフトや攻略本、メモリーカードまでが販売されていた
コンビニでゲームソフトそのものが売られていた時代は、あっという間に廃れてしまいましたね
『クロノ・クロス』なんかアルティマニアを読んで初めて真相が分かるという…
『アンリミテッド・サガ』に至ってはソフトの説明書が分かりにくく、分厚いコレを読んで初めてシステムが理解できるという…
スタジオベントスタッフ,スクウェア,ファミ通書籍編集部 エンターブレイン 2003-03
ベントスタッフといえばベニー松山氏の小説も有名よ。サガフロ2のこの攻略本に入ってる小説は傑作ね
ゲーム製作者たちのインタビューもついていて熱い時代だった
ネット社会ならではの攻略本は今後も作られるでしょうけれど、この時代のゲームを取り巻く熱量は特別ですね
技術の進化によって、ゲームで表現できることが格段に広がっていった時代だ
『CB's PROJECT』故・成沢大輔氏を偲んで
オカルト好きには避けて通れないゲーム『真・女神転生』シリーズの攻略本でおなじみね
ダービースタリオン全書のようなデータを扱うゲームの攻略本とかも良かったな
『女神転生十年史』のような、攻略本とは違う解説本も出てたよな
神々や悪魔の解説だけじゃなくて、東京の地名の由来やヘブライ語やグノーシス主義まで解説してあったり
なぜかアマゾンの著者リンク「成沢大輔」には出てないけど、奥付にはちゃんと成沢氏の名前がある
成沢氏の著作も含めてゲーム攻略本のほとんどは電子化されていないのが現状です。高騰している商品も多いので、なかなか入手しづらいものがあり残念ですね。
まとめ
ゲーム攻略本は単なる一世を風靡した出版物というだけで はありません。
ゲーム攻略本の製作者たちにの知識やゲームに対する深い理解、長時間の検証によって生み出された素晴らしい文化だと思います。
おそらくビデオゲームの歴史は今後多く語られると思いますが、ゲーム攻略本の文化はどうでしょうか。ゲーム史の影に忘れ去られてしまうことを危惧しています。
スタジオベントスタッフ や成沢大輔氏をはじめとする全てのゲーム攻略本の製作者をリスペクトするとともに、彼らの業績が語り継がれていくことを願ってやみません。