00年代のおすすめ日本のテレビアニメを20本に厳選しました。劇場公開作品は含まれてはおりません。
10年代(平成21~令和元年)という時代の特徴もザックリと解説し、その年代を象徴するようなアニメを紹介しています。
好みの問題もありますが、自信を持っておススメできる内容の作品を厳選しました。
2010年代はアニメが若者文化の主流になった時代
アニメを見ない人は全く見ないので"若者文化の主流"と安易に書いてしまって良いものかどうか悩みましたが、根拠となるものをいくつか挙げてみましょう。
まず深夜アニメとタイアップした商品がコンビニなどでも扱われている点。
SNS(主にTwitter)上ではアニメの話題が主流なのは間違いないのではないでしょうか。
政府系の広告や献血のポスターなどにも深夜アニメのキャラクターが使われるようになりました。
駅の構内や商業施設などにも貼りだされるような光景は、それ以前の時代にはまずなかったことでした。
NHK紅白歌合戦のような国民的なテレビ番組などにもアニメ枠が設けられ、その年の話題作やヒット作の主題歌を歌うアーティストはもちろん、声優のユニットなども大晦日のお茶の間を賑わすようになりました。
こうしてみると少なくともアニメはそれ以前とは比べ物にならないほどアニメは若者文化のメインストリームになったと言っても過言ではないでしょう。
しかしアニメ制作者たちにとってのこの10年弱は、一部の動画配信サイトによるアニメ作品の違法アップロードに悩まされ続けた期間でもありました。
近年では取り締まりも強化されるとともに、月額性の動画配信サービスの定着等もあり、状況は少しずつ改善の兆しがあるのではないかと思います。
一方で作品の権利は製作費を出資した製作委員会が保有するため、下請けのアニメの制作現場での資金難や現場でのハードスケジュール等の問題点は山積みです。
これだけ話題になり、若者文化の中心に位置しているアニメですけれども。
10年代テレビアニメの特徴「女の子が頑張る話」か「なろう系」「女性向けコンテンツの充実」
「女の子が頑張る話」
「なろう系」
「女性向けコンテンツの充実」
10年代アニメの特徴を大ざっぱにまとめてしまうとこの3点に分類できるのではないでしょうか。
もちろん例外もありますが、大多数の10年代のアニメの登場人物はほぼ10代後半の若い女性で占められています。
「女の子が頑張る話」は、アニメ制作現場を舞台にした『SHIROBAKO』やゲーム制作会社を舞台にした『NEW GAME!』等が挙げられます。
現実は男性比率が高めの職場を、登場人物をほとんど女性にすることでアニメならではの表現とターゲットの視聴者層にマッチさせる狙いがあるのでしょう。
中には見た目は美少女で中身は中年男性(『幼女戦記』『転スラ』等)というような作品も少なくなく、冷静に考えると少し極端な現象です。
この文脈に乗れない人は、アニメ=キモイとか、女性蔑視だとか言ってしまうのかもしれません。
また、目を大きく描かれていたり、アニメ声優の特有の声の当て方が苦手という人もいるので、どうしてもアニメが苦手な人がいることは仕方がないかも知れません。
00年代~10年代のアニメは、そうしたアニメの文脈なり形式がより一層完成した時代でもあります。
「なろう系」についてカンタンに説明しますと、小説投稿サイト「小説家になろう」での人気作品がアニメ化されたものを主に指します。
特徴は大抵、主人公が異世界に転生して大活躍する話になります。
元々の読者層が男性中心なので、男性主人公の作品の割合が高いのが特徴です。
例外の代表格は『蜘蛛ですが、何か』と『痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。』でしょうか。
小説といっても世界観や設定などはテレビゲームの予備知識を前提としています。
ドラクエ等に代表されるファンタジー風RPGのプレイ経験がない方だと、いま一つ世界観に入り込めないといった難点もあります。
私の友人にスマホゲーム、テレビゲームを全くやらない人がいるのですが、試しに『転スラ』を薦めたらビックリするくらいチンプンカンプンでした。
少し意地悪な言い方になってしまいますが、ツッコミどころ満載のご都合主義的な作品を揶揄する言葉としても「なろう系」は使われる場合があります。
この他、『デスマーチで始まる異世界狂想曲』(デスマ二郎)『オーバーロード』(イキリ骨太郎)等、妙に語感が良いのでつい使ってしまいますが、私個人としては決して作品を貶める意図はありません。
それどころか、著者がWEB上で発表した作品が人気を得てメディア化される現象と、読者によって茶化される一連の反応を非常に面白く感じています。
以前の記事でも書きましたが、なろう系と呼ばれる異世界転生モノが流行した背景なども別記事として準備中です。
女性がより楽しめるコンテンツが充実したのもこの時代の特色です。
それまでのアニメと言えば、どちらかといえば男性向けに作られた作品が多かったので、より幅広い層に向けて広がったと言えるでしょう。
刀剣女子という言葉を生み出したゲーム原作の『刀剣乱舞』は16年と17年アニメ化され、舞台化もされています。
ご当地アニメの定着の理由
07年の『らき☆すた』は埼玉県の鷲宮神社(現・久喜市)が作中に登場し"聖地"として注目されましたが、10年代になるとご当地アニメの流れはさらに広まりました。
埼玉県秩父市を舞台にした11年の『あの日見た花の名を僕たちはまだ知らない。』
石川県金沢市 湯涌温泉を舞台にした『花咲くいろは』
茨城県大洗町を舞台にした12年の『ガールズ&パンツァー』等ご当地アニメとして町おこしのPRに使われています。
岐阜県の飛騨高山を舞台にした『氷菓』も有名な作品ではないでしょうか。
なぜアニメと町おこしが関連付けられるようになったのか。
まず10年代以降はアニメ自体の本数が以前より多く制作されるようになった実情があります。
現代の日本を舞台にした作品も多く作られるようになりました。
またアニメの社会的認知度の上昇も挙げられます。
80~90年代アニメを見て育った世代が親になり、その子供たちの話題の中心も深夜アニメだったりすれば尚更です。
アニメ=オタク=気色が悪いという偏見も時代と共に薄れてきました。
これに加えて背景描写のデジタル化および緻密化も挙げられます。
もちろん当時のアニメーターも絵を描くために取材や資料作りなどの手間は惜しまなかったでしょう。
スタジオジブリ作品などの例外を除いて、以前のアニメの背景にはそこまで実在する市町村を描写する機会がありませんでした。
未来世界を舞台にした作品が多かったということもあるでしょう。
現代を舞台にした作品も、架空の街が舞台※になっていたりしました。
※たとえば『名探偵コナン』の場合、米花町(べいかちょう)など。
中には町おこしありきで作られたアニメもありますが、あくまでも例外的な扱いです。
作り手の事情と、地元の観光客誘致の目的が自然とマッチした形で"ご当地アニメ"と呼ばれるようになったと言えるでしょう。
10年代アニメランキング20
ランキング形式ではありますが、順位にそれほど意味をこめてはいません。
たまたまアニメオリジナル企画を上位に並べておりますが、マンガ原作だから下位というわけでもありません。
「その時代でしか表現できない作品」「オタク的に分かってる感じ」という視点にも、今回のランキングではそれほど重視しませんでした。
なぜなら、10年代で個人の趣味や嗜好が幅広く多様化しているためです。
いわゆる"萌え"キャラや美少女が主体となる作品を選ばなかったのは単純に好みの問題です。
10年代では避けては通れないであろう重要作品である『ソードアートオンライン』も残念ながらギリギリ選びませんでした。
世間的な評価よりも、自分が思ったこと、感じたことを中心に私なりのベストアニメを選出したつもりです。
また動画配信サービスなどの普及で、リアルタイムでその作品を見る意義がどんどん薄れていった時代でもあります。
もちろんTwitterやネット掲示板での"実況"などは00年代~10年代にも健在ですが。
自分が「面白い!」「好き」と思った作品を、なるべくバラエティに富むような形で選んでみました。
参考までに平成時代のオタクカルチャー、90年代アニメについては以下の記事を参照ください。
第20位 坂道のアポロン(12年)
原作は小玉ユキ氏による同名マンガ。
アニメーション制作はMAPPA・手塚プロダクションです。
1966年の長崎県佐世保市を舞台にした青春モノ。
優等生とバンカラ高校生がモダンジャズを通じて結ばれる友情と三角関係がみずみずしい映像で描かれています。
第19位 四畳半神話大系(10年)
湯浅政明監督作品。フジテレビ系列の深夜アニメ枠「ノイタミナ」で放送されました。
原作は森見登美彦氏の小説です。
文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で、テレビアニメ史上初となる大賞を受賞しました。
人を選ぶ作品ですが、独特の映像表現と機関銃のようなセリフの掛け合いが先鋭的な雰囲気をかもし出しています。
良い感じのキャンパスライフを送れなかった人にとっては、何とも言えない気分にさせられるアニメです。
文学なのか娯楽なんだかよく分からない作品ですが、京都を舞台にしたうまくいかない大学生活の並行世界パラレルワールドが展開されます。
普段アニメに興味のない人や「アニメなんてどれも似たようなものじゃない」という方にとってはビックリするような内容のアニメではないでしょうか。
第18位 昭和元禄落語心中(16年)
原作は雲田はるこ氏の同名マンガ。アニメはスタジオディーン制作。
第1期は全13話+OVA2話で、第2期は全12話です。
物語を通じて落語の隆盛と衰退が昭和の時代と共に艶やかに描かれています。
同門で対照的な噺家2人による話芸の追求やそれぞれの家族関係が入り乱れて人間ドラマを盛り上げています。
選出のポイントは何といってもアニメならではの声優陣の演技ではないでしょうか。
石田彰氏や関智一氏、 山寺宏一氏、林原めぐみ氏といったベテラン声優の渾身の演技はとにかく素晴らしいです。
第17位 おそ松さん(15年~)
原作は赤塚不二夫氏のギャグマンガ『おそ松くん』
物語としては六つ子が成長して大人になった後を描いています。
studioぴえろ制作で、第1期(15~16年)2期(17~18年)ともに全25話で、19年には劇場版『えいがのおそ松さん』も公開されました。
昭和のギャグマンガを大胆なアレンジで平成後期にアニメ化し、女性を中心にヒットした前例のないヒット現象を巻き起こしました。
ポップな絵柄が印象的ですが、けっこう毒のある諷刺が利いています。
第16位 つり球(12年)
A-1 Pictures制作。フジテレビ「ノイタミナ」枠で放送されました。
江の島を舞台にした不思議なタッチの青春ストーリーで、タイトルにあるように"釣り"がモチーフとなっています。
が、宇宙人ハルの存在など、地味にSF的な設定が盛り込まれていて、物語は淡々と進んでいきます。
ひょっとしたら一般的なアニメランキングには載らないような作品かも知れません。
ですが、個人的には好きな作品です。何となく画面の雰囲気に惹かれるものがあります。
釣りマンガと言えば『釣りキチ三平』が有名で、最近では『放課後ていぼう日誌』も知られています。
『つり球』は一風変わったアニメで、決して万人におススメできる作品ではないかもしれませんが、あえて推してみました。
第15位 進撃の巨人(13年~)
原作は諫山創氏による同名マンガ。
人間を捕食する巨人と人類との壮絶な戦いを描いた原作は大ヒットし、社会現象を巻き起こしました。
アニメはWIT STUDIO制作。
第1期は全25話。17年に放映された第2期は全12話。18~19年に放送された第3期は全20話。
20年秋に第4期が予定されています。
第14位 機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(15~17年)
一期と二期の分割で全50話。制作はサンライズ。
監督は長井龍雪氏、シリーズ構成は 岡田麿里氏。
ガンダムと言ってもアムロやシャアの出てくる宇宙世紀シリーズとの接点はありません。
火星を舞台に、民間警備会社の非正規部隊に所属し不当な労働環境で働く少年たちの生存と野望の物語が展開されます。
「決して散ることのない鉄の華」鉄華団を結成し、火星の独立運動を指揮する少女クーデリアを護衛しながら地球を目指します。
本編とは何の関係もありませんが、鉄華団のリーダー、オルガ・イツカはネット上で二次創作MAD「異世界オルガ」等のネタになり、話題になりました。
第13位 PSYCHO-PASS サイコパス(12年~)
Production I.G・タツノコプロ制作の「ノイタミナ」枠の放送作品。
第1期:全22話 新編集版:全11話
テレビドラマや映画シリーズ『踊る大捜査線』の監督として知られる本広克行氏が総監督として企画から制作に関わった作品でもあります。
基本的なコンセプトは“近未来SF”、“警察もの”、“群像劇”
個人の心理状態や性格や嗜好などを数値化する巨大監視システムで治安維持された近未来が舞台です。
1期のシリーズ構成は虚淵玄氏で、アニメの脚本化を担当したのは小説家の深見真氏と高羽彩氏です。。
20年現在、第3期までのテレビアニメ版と劇場版が公開されました。
第12位 さらざんまい(19年)
MAPPAとラパントラックの共同制作。幾原邦彦監督によるオリジナルアニメ作品。
全11話。
浅草を舞台にした中学生3人組とカッパの話…というか、何とも説明しづらいアニメです。
表現はかなりエキセントリックで、テンションも高めなので視聴していて疲れてしまう方もいるかもしれません。
物語の構成自体はシンプルなので、難解というわけではありませんが…。
これを作りたいという"欲望"に忠実というか、正直「よく作ったなあ…」と感心しきりな作品です。
個人的にはとても楽しい作品ですが、ノリについていけない人もいるでしょう。
第11位 メイドインアビス(17年)
原作はつくしあきひと氏の同名マンガです。
アニメーション制作はキネマシトラスで、テレビアニメ版は全13話です。
19年には前後編からなる劇場版総集編も公開されました。
人類最後の秘境と呼ばれる、巨大な縦穴「アビス」を舞台に、物語は展開します。
深く降りたら人体に致命的な影響を及ぼすものの、そこで得られる「遺物」は人類にすばらしい恩恵をもたらすものもある。
命がけで奈落に挑む者たちは「探窟家」と呼ばれています。
主人公の少女リコは、相棒の少年型ロボットのレグと共に、伝説の探窟家だった母親に会うために奈落の底を目指します。
第10位 キルラキル(13年)
TRIGGER制作。全25話
MBS・TBS・CBC・BS-TBS『アニメイズム』B2にて放送されました。
今石洋之監督や中島かずき氏、キャラクターデザインのすしお氏等、『天元突破グレンラガン』で名をはせた主要スタッフによる学園バトルアニメ。
熱量の高い物語もさることながら、アニメーターが絵でどうお芝居をするのかといった視点で見ると非常に参考になる作品です。
第9位 転生したらスライムだった件(18年~)
原作は伏瀬(ふせ)氏の同名ライトノベル。
13年に小説投稿サイト『小説家になろう』にて発表。翌14年に大幅に加筆されたものがマイクロマガジン・GCノベルズから刊行されました。
エイトビット制作。第1期は全25話。2期以降は20年~21年にかけて放送予定。
異世界転生モノですが、タイトルの通り転生したら魔物のスライムに生まれ変わった主人公が部下と共に街を作ったり、トラブルを解決していく話です。
面白さのポイントというか、注意点としてRPGの基本的なお約束事を知っていないと本作品を100%楽しめない点でしょうか。
それでも、主人公を含めキャラがかわいらしく魅力的で、テンポがよくメリハリのあるストーリーが展開されるので素直に楽しめる一品だと思います。
第8位 Re:ゼロから始める異世界生活(16年)
WHITE FOX制作
原作は長月達平氏によるライトノベル。イラストは大塚真一郎氏。
小説投稿サイト『小説家になろう』にて12年に発表され、14年からMF文庫J(KADOKAWA)で刊行されています。
いわゆる異世界転生モノですが、主人公が絶命すると時間が戻り、リトライできる能力を持つ設定のため、内容はハードで重めの設定です。
グロテスクなシーン等もありますので視聴の際にはご注意ください。
第7位 月がきれい(17年)
feel.制作。全12話。TOKYO MX等で放送されました。
舞台は埼玉県川越市の中学校。
小説家志望の安曇小太郎と陸上部の水野茜のぎこちない恋愛をみずみずしいタッチで描いています。
内向的な中学生の恋愛モノで、両者の心の動きなどを細やかに描いた印象的な作品です。
第6位 この素晴らしい世界に祝福を!(16年・17年)
原作は暁なつめ氏によるライトノベル。イラストは三嶋くろね氏。
元々は小説投稿サイト『小説家になろう』に発表されたWEB小説でしたが、現在は角川スニーカー文庫より刊行されています。
アニメ版の制作はスタジオディーン。
第1期、第2期ともに全10話+OVA1話です。
いわゆる異世界転生モノではありますが、なろう系のパロディや諷刺するようなテイストも多分に含まれていて他のなろう作品とは一線を画しています。
何より主人公パーティの何とも言えない残念な個性がすばらしいです。
ちょっと外れてしまったダメ人間(女神)万歳です!
現実でツラいことがあっても観ていると元気になるような、ふしぎな魅力に満ちています。
第5位 あの日見た花の名を僕たちはまだ知らない。(11年)
フジテレビ系列「ノイタミナ」枠で放送されました。
監督の長井龍雪氏 脚本は岡田麿里氏 キャラクターデザインの田中将賀の三名は超平和バスターズというクレジットで他作品にも名を連ねています。
死んだはずの幼馴染のヒロイン「めんま」が幽霊として引きこもりの主人公「じんたん」の前に現れて…というあらすじです。
喪失と再生の物語。
登場人物の罪の意識や淡い恋、友情や成長などが描かれています。
第4位 魔法少女まどか☆マギカ(11年)
全12話。シャフト制作。
毎日放送 (MBS) ほかで深夜アニメとして放送されました。
『物語シリーズ』などで知られる新房昭之監督、ゲーム制作会社ニトロプラス所属の虚淵玄氏が脚本を担当しました。
本作品は数多くの人が批評したり考察したりで、ネットを中心に大きく盛り上がったアニメです。
リアルタイム放送で10話放送予定時の3月11日に東日本大震災が起こり、当然放映は中止されるなどの影響もありました。
今は亡き漫画原作者の小池和夫氏がツイッター上で虚淵氏を絶賛して対談が実現するなど、大きな話題を呼びました。
第3位 宇宙よりも遠い場所(18年)
制作はマッドハウス。 AT-X・TOKYO MXほかで放送されました。
監督は監督はいしづかあつこ氏。シリーズ構成・脚本は花田十輝氏。
南極を目指す女子高生たちのお話です。
なのになぜ宇宙というタイトルがつくといえば、宇宙飛行士の毛利衛氏が語った「宇宙には数分でたどり着けるが、昭和基地には何日もかかる。宇宙よりも遠いですね」という言葉に由来するそうです。
本当に丁寧に作られたアニメで、どなたにも自信を持っておススメできる内容です。
過激な描写もないので、親子での視聴もオススメできます。
タイトルの意味と物語がリンクする感じが子気味良かったです。
誰に何を言われようと、目標を定めて行動する姿には心を打たれました。
物語は関東の地方都市(群馬県の館林市)から始まりますが、電車や飛行機、船舶等の乗り物と"移動"のリアリティを物語に落とし込んだ描写は本当に素晴らしいです。
地方と東京、世界と南極との距離感の演出にも舌を巻きました。
第2位 SHIROBAKO(14年)
P.A.WORKSが制作したオリジナルのテレビアニメ作品です。全24話+OVA2話
水島努監督作品
高校のアニメ同好会だった5人の女性たちが、それぞれ制作進行・アニメーター・声優・3DCGクリエイター・脚本家志望としてそれぞれアニメ業界に入って夢を追う物語です。
作品の完成を目指して奮闘するアニメ業界の日常が、群像劇として描かれています。
タイトルの"白箱"とは、作品が完成した際に関係者が最初に手にする、制作会社が納品する際に用いる白い箱に入ったビデオテープのことです。
アニメが好きな人すべてに見てほしい作品として、挙げました。
第1位 STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)(11年)
5pb.(現・MAGES.)より発売されている同名のテレビゲームが原典となります。
アニメーション制作は WHITE FOX。
独立UHF局ほかAT-Xにて放送されました。全24話。
アニメ版のシリーズ構成は花田十輝氏。
たくさんの人の支持を集めた"間違いなく名作"ではありますが、
なぜ、名だたる10年代の中から、本作品を1位に選出したのか?
タイムマシンと並行世界を軸に二転三転するストーリー展開が見ものですが、個人的にもっとも心に刺さったのは登場人物たちの魅力に他なりません。
簡単に物語を説明すると舞台は2010年の秋葉原の夏に始まります。
アインシュタインの相対性理論や、エヴェレットの多世界解釈などの物理学用語やネットスラングが乱れ飛ぶ極端な世界観についていけない人もいるかもしれません。
"β世界線"などの用語に面食らう視聴者もいるかもしれません。
複雑に入り乱れたストーリー展開や緻密な伏線などがちりばめられた本作ですが、個人的に一番の推しポイントはキャラクターたちです。
キャラクター原案のイラストレーターhuke氏のデザインセンスもさることながら、登場するキャラクターが皆、生き生きと描かれている点。
個人的な意見ですが、SF設定や緻密なストーリーは、魅力的なキャラがいればこそ活きると思い知りました。
まとめ
私見ではありますが、10年代を象徴するような作品を厳選してみました。
残念ながら10年代で紹介しきれなかった素晴らしいアニメもたくさんあります。
それにしても、アニメを取り巻く状況は変わりました。
これまで少数のコアなアニメファンとして肩身の狭い思いをしてきた身からすれば隔世の感があります。
一般的に、ライト層にはアニメ=子供が見るものという前提(時間帯や内容)は00年代までは残っていました。
10年代でも"大人になってもアニメから卒業しない人が増えた"というような論調も未だにあったりします。
それでも10年代以降の若者の間でのアニメ文化の定着は感慨深いものがあります。
果たして20年代はどんなアニメが公開されて私たちを楽しませてくれるのでしょうか。
一アニメ愛好家としては楽しみでなりません。