最近、街で不良を見かけることが少なくなりました。
皆さんのお住まいの地域によっては、「ヤンキーいるよ」という方もいるかもしれません。
当記事では「ヤンキーを見かけなくなった」という視点で、その理由を考察していきたいと思います。
不良、ヤンキー、マイルドヤンキー、定義は人によって様々です。
当記事では「他人に威圧的な印象を与えるような服装や行動をする人」と位置づけます。
ではなぜそのような人が少なくなったのか?
いくつかの理由をまとめてみました。
街に不良がいなくなった理由
そもそもヤンキーとは何か? どんな人がなるのかについては以下の記事を参照ください。
ではなぜ、街から不良が少なくなったのでしょうか?
のみならず、不良でいることは社会的に大きなマイナス要因であることも知れ渡ってしまいました。
とはいえ漫画『東京卍リベンジャーズ』がヒットしても、彼らに憧れてヤンキーになる人はごく少数ではないでしょうか。
2010年代の後半くらいまでは、祭りなどの会場でそれらしい人たちを見かけることも多かったのですが、年を追うごとに少なくなっている印象です。
なぜ、ヤンキーが減ったのか?
取り締まりの強化や、規制が厳しくなったという意見もありますが、結論を言えば、コスパ重視の若者の価値観と、情報化社会でヤンキーのデメリットが可視化されたことがもっとも大きいと思われます。
ヤンキーのコントパフォーマンスは最悪
Z世代あたりからコストパフォーマンス(※以下コスパ)を最優先する生き方が主流になりました。
「無駄な出費や行動を減らし、費用対効果を大きくする行動が最善だ」という考え方は、それ以前にもありましたが、若者の主流の価値観とは言い難かったのではないでしょうか。
収入と収支のバランスという点から言っても、ヤンキーでいることはコスパが悪いとしか言いようがありません。
不良っぽい格好をしていると、ネガティブな評価につながりやすく、人間関係も狭くなりがちです。
当時を知る人によれば、繁華街を歩いているだけでもトラブルになることもあったと言います。
もはや歴史になりつつある昭和時代のように、先輩のツテで仕事を紹介してもらえたりすることもなくはないでしょう。
誤解されやすい外見から、所属するコミュニティが限られてしまうこともあり得る話です。
現実のコミニュティに居場所がなくなり、安易にネットの闇バイトを通じた特殊詐欺等の加担してしまったり、犯罪の加害者となるケースもあるでしょう。
ヤンキー同士の仲間意識よりも、コスト優先でないと生活もままならないような若者の経済事情という点もあるのではないでしょうか。
不良のイメージが低下し続けている
Z世代には信じられないかもしれませんが、かつて日本では「不良がカッコいい」という価値観が確かにありました。
未成年の飲酒や喫煙は法律違反ですが、テレビドラマや漫画やアニメなどの登場人物が飲酒や喫煙をするシーンなどが頻繁にありました。
現在の法令順守の価値観では考えられないような違法行為が、娯楽作品で描かれていました。
誰の心の中にもヤンキーは存在する?
不良のイメージが低下し続けている一方で、自己顕示欲の強い若者たちはいつの時代も、男女を問わず存在し続けます。
承認欲求や自己顕示欲は、一見真逆の存在であるヤンキーとオタクの共通点でもあります。
また、どれほど不良行為がカッコ悪いという風潮があるにせよ、ときには羽目を外したくなるのが人間の愉快な点でもあり、厄介な部分でもあります。
では、仲間内だけのつもりで盛り上がり、調子に乗ってネット上に迷惑行為を上げてしまった場合、とりかえしのつかない事態を招いてしまうこともあります。
次項では、そうした迷惑行為「店テロ」について、ざっくりと述べていきましょう。
迷惑行為「店テロ」で炎上するのは「ヤンキー」なのか?
ヤンキーという存在が、過去のものになりつつある現在(23年)ですが、回転ずしチェーン店で醤油差しに直接口をつけるなどの迷惑行為を撮影した動画が店側から損害賠償を請求されるなど社会問題になりました。
少年犯罪自体は減少傾向にあるものの、こうしたSNS上にアップロードされた迷惑行為は瞬く間に炎上し、拡散され、徹底的な批判にさらされます。
なぜ、彼らはそうした迷惑行為に及ぶのでしょうか?
この手の迷惑行為に共通することは、迷惑行為を行う当人たちは「そこまで大問題になるとは思っていない」という点が挙げられます。
また、「バレなければ大丈夫」という過信や、「食」に関する迷惑行為がどれほど人々の神経を逆なでするのかを想像できないこともあるでしょう。
日本人は食に関する不衛生な行為を「許せない」と考える人が多いのではないでしょうか。
飲食店で悪ふざけをする者たちには、そうした食に関する衛生意識をあまり持ち合わせていなかったのではないでしょうか。
その一方で、加害者側に対する痛烈な批判はすさまじいの一言です。
個人情報の特定に加え、問題になった店舗や本社へのクレーム、通っていた学校に対する批判など、瞬く間にネットを駆け巡り、関係者たちは対応に追われます。
ヤンキーに対する違和感が可視化され、言語化された時代
ひとつの例として、あおり運転が上げられます。
近年のドライブレコーダーの普及により、証拠映像を残すことが格段に容易になりました。
また、ほとんどの人がスマートフォンを所持している昨今、不良行為や迷惑行為が撮影されたり録音されるなど、可視化される時代になったことも、ヤンキー減少に拍車をかけた一因のように思えます。
まとめ・見た目の不良が減ったとしても、イキる人たちが減ることはない
これまで述べてきた通り、ここ10年で(少なくとも)見た目の上でのヤンキーは減りました。
やはり、不良に対するイメージの低下が最大の原因ではないかと思います。
また威圧的な風貌は周囲から誤解されやすい点と、(服装などに)お金がかかる点も挙げられます。
不良的な行為はSNSなどで炎上案件となってしまい、承認欲求を得られるどころか、ネット上で容赦のない批判を浴びせられることになります。
とはいえその一方で、自己顕示欲を抑えられない若者は、いつの時代も一定数存在するでしょう。
また、安易で短絡的な発想から、犯罪に手を染める者も少なからず存在します。
SNSや闇バイトなどが起点となり、犯罪に手を染める若者たち。
彼らの中には「いかにも悪っぽい」な外見の者がいる一方、一見してそうは見えない者も少なくありません。