知人や職場の同僚、あるいは親戚などにマイルドヤンキーと呼ばれるタイプの人はいるでしょうか?
金髪やピアス、ジャージ姿など、見かけは少し怖い印象で、話しづらい印象があるのではないでしょうか。
怖そうな見た目に反して、彼らは基本的には普通の人で、反社会的な行為も行いません。
ただ、彼らに特有な「価値観を押しつけてくる」感覚や、乱暴な言葉づかいに戸惑ったり、気圧されたりする人もきっと多いのだと思います。
「マイルドヤンキーって苦手だなあ…」
この記事はそんな方のために書きました。
もちろんマイルドヤンキーのすべてがそうだとは言いません。
あくまでも内向的な人間から見た一方的な印象です。
マイルドヤンキーと呼ばれる人たちの外見的な特徴(ファッションや車など)を紹介します。
また、彼らの多くに共通する行動を解説し、どう接したりすればいいかを考察します。
彼らの価値観や趣味を否定をする意図はありませんが、筆者のレッテル貼りを不愉快に思われる方もいるかもしれません。
価値観の違う者と円滑に関係性を結ぶための記事ですので、ご容赦願います。
地方都市でよく見られるマイルドヤンキーの特徴を3タイプに分類してイラストで紹介します。
※これは筆者の主観を交えたイラストですので、実在のマイルドヤンキーがすべてこの通りだとは限りません。
なおマイルドではないヤンキーとその歴史については以下の記事にまとめました。
当記事では、あくまでもマイルドヤンキーに焦点を絞っています。
一般的なマイルドヤンキー
○ちょっと見た感じ「盛ってる」
○表情が豊かで基本的に明るい
○ゴツいシルバーアクセサリーやピアス
○文字がいっぱい書かれた原色のパーカー等
一般的なマイルドヤンキーとの接し方
外見は少しだけやんちゃでも、基本的には社会人として生活している一般人です。
何度も言いますが、彼らは反社会的な行為とは無縁な人たちが大多数です。
内向的で繊細な人にとってはそれでも威圧的に感じることもあるでしょう。
こちらが会話が苦手でも、相手はコミュニケーション能力が高い人が多いので、空気を読んで察してくれたりする場合も多いと思います。
もちろん人間同士なので性格的に合う合わないは当然あるでしょう。
積極的に話しかけてくるタイプだと、人によっては苦手意識を持つかもしれませんね。
そんな時はやんわりと人付き合いが苦手な旨を伝えるのもアリだと思います。
とにかく相手は半径10キロで強固なコミュニティを形成しています。
内向的で人間関係が苦手な人とも適切な距離で接してくれるでしょう。
マイルドヤンキーと土着性
彼らの特徴として、土着性が挙げられます。
生まれた時からほとんど住む場所が変わらないため、幼稚園や小学校時代の友人がそのまま大人になっても交流を続ける人たちも多いでしょう。
それは大変強固なコミュニティです。
なるほど彼らの言う「絆」というのも、見せかけのものではありません。
そのようなコミュニティが親子二代で、ややもすると三世代以上にわたって引き継がれていきます。
新参者にとっては大変ハードルの高い人間関係に感じるのも無理はありません。
ヤンキー気質についての具体的な記事はこちらをご覧ください。
マイルドヤンキーと野球
偏見のように受け取られるかもしれませんが、私が実際に見知った限り、地方の草野球チームなどではマイルドヤンキー率はきわめて高い印象です。
限りなくガチに近いマイルドヤンキー
限りなくガチに近いマイルドヤンキーとの接し方
一目でわかる威圧感たっぷりの服装ですが、基本的には社会と折り合いはつけており、トラブルを起こしたりすることは稀です。
むしろイベントや祭り等で率先して動いてくれるので助かりますが、中には少し強情だったり強引に自己主張する人もいるかと思います。
ヤンキーが祭りを好む心理は、以下の記事で考察していますので、あわせてご覧いただければと思います。
ヤンキーを自認していなくても、パッと見て威圧的な印象の人は独自のこだわりやプライドの高い人が多いのも事実。
自分の流儀に合わなかったとき、感情的になることもあります。
トラブルになりかけたら絶対に一対一で話し合わず、年長者をまじえたグループで話し合うことが賢明です。
内向的な性格の人にとって、外見で圧倒されてしまってコミュニケーションが成立しない可能性もあります。
しかし正義感が強く仲間思いの人も多いので、おそるおそる付き合ってみると意外と良好な関係を築けた、というケースもあります。
隠れマイルドヤンキー
外見では分からないタイプ(本人にもヤンキー気質の自覚なしのケースも)
市議会議員や会社経営など、地方では比較的社会的地位の高い人もいる
ネクタイやスカーフにやたら光沢があるものを好む
男性は蛇皮のサイフ、女性はピンク色で「&」の文字の入った財布を持つ場合もある
隠れマイルドヤンキーとの接し方
外見からは想像もつかないようなタイプです。口調も乱暴ではありませんが、ところどころにヤンキー的な価値観が顔をのぞかせます。
ヤンキー的といっても、本人は元ヤンだとは限りません。
まったく自覚がないケースも多々あります。
自称体育会系がこのタイプの場合が多い印象です。
体育会系はあくまでもルールを優先、コンプライアンスを守る傾向にありますが、ヤンキー気質の場合は、どちらかといえば社会のルールよりも義侠心、仲間の利益を優先する傾向があります。
それほど強い仲間との連帯意識を持つゆえに、たとえば新年会などのイベント参加を断ったりすると、とたんに冷淡になったり、あるいは冗談交じりに「ふざけんな何でこないんだよ!」と悪態をつかれる場合があります。
(地方では)そこそこ社会的地位も高いため、世間的な評判も良好です。なり手がいないと言われる市議会議員などに当選するくらいですからね。
彼らの「仲間意識」から外れてしまうと途端にパワハラなどの仕打ちを受ける可能性もあります。
上司がマイルドヤンキーだった場合の接し方
職業にもよりますが、おおむね彼らは仲間意識が強い傾向があります。
これは友人関係のみならず、同僚、部下に対しても強い連帯意識で接してきます。
個人にもよりますが、会社に対する帰属意識も強く、チームの輪を求める傾向があります。
内向的な人にとっては、体育会系の上司と並んでやりずらい職場環境ではないでしょうか?
ちょっとのミスでも「てめー!ふざけんな!ムカつくんだよ!」など幼稚で乱暴な物言いをされる場合もあるかと思います。
また、遅刻した訳でもないのに、「おれより後に来てんじゃねーぞ?」などとあいさつ代わりに言われることもあるでしょう。
これらは彼らに語彙が少ないことが原因でしょう。
悪意のある人も中にはいますが、おそらくニュアンスを伝える適切な言葉を知らないのではないかと。
それに加え、仲間意識の強い彼らは、人との距離感が近いのです。
内向的な人間にとっては、自分の間合いに容易く踏み込まれたように感じて不快な思いを感じていることは、彼らにはおそらく理解できません。
自分が内向的な人間、人付き合いが苦手であると、しっかり伝えましょう。
「人付き合いが苦手なので、反応が悪くてすみません…」
「チームの輪を乱すつもりはないのですが」
タイミングは相手が上機嫌な時、普段の会話の中でボソッと伝えるのがベストです。
くれぐれも機嫌が悪い時やこちらにミスがあったときではいけません。
「揚げ足とってんのか?」…みたいなこと言われますから
こればかりは相手の性格により様々なので一概には言えませんが、「はぁ?」と言われたらチャンスです。
思い切って、内気であること、人とのコミュニケーションが苦手なことを伝えておくのも手です。
この時に、チームの一員でありたいという思いと、仲間であることの気持ちをにじませます。
本心から思う必要はありません。ニュアンスが伝われば十分です。
コミュニティー内でのキャラ付け、ポジショニングの大切さ
芸能界ではありませんが、閉じたコミュニティほどキャラ付け、ポジションを要求してきます。
○○は女子力高いキラキラ系の長女で世話好き、○○は笑い上戸な次男…性格、気質、パッと見の印象からキャラ付けが行われます。
仲間内の無責任なキャラ付けと、自分の気質をすり合わせることがコミュニティ内での立ち回りで非常に有効です。
特に、断れないタイプの性格の人が「何でも言うことを聞いてくれる奴」と思われてしまうと、次から次に要求が来る場合が多いので
そんなときはリーダー格の人に一対一で相談するのもありでしょう。
この場合、ガチに近いマイルドヤンキーでも大丈夫です。
むしろ親身になって守ってくれるでしょう。
マイルドヤンキーの世界観では良くも悪くも「仲間」とみなされれば守ってくれます。
マイルドヤンキーだらけの地方都市でどう人間関係を築くか
たとえばあなたが地方出身で、都会に進学したけれども両親の介護などの事情があって故郷にIターン就職したとしましょう。
たまに顔を出していた「地元の友達」との関係性も全く違うものに感じられることでしょう。
マイルドヤンキーの人間関係は地元で完結し、友人との関係も中高生の頃から変わっていないということが往々にしてあります。
大人になってからも、下手をしたら小学生の頃からずっと一緒のコミュニティが存在しています。
そこで助け合いながら、彼らは生活しています。
都会で生活していた人にとっては終わらない学校生活が延々と続く異世界のように感じるのではないでしょうか。
基本的に地方の濃密な人間関係に、内向的な人間は相いれないとは思います。
一方で、意識高い系と呼ばれるマイルドヤンキーとは真逆の価値観を持った人たちがいます。
一見正反対な両者にも意外と共通点があったりします。
こちらの記事にまとめてみました。
意外とマイルドヤンキーと呼ばれるような外見の人たちは親切だったりすることも多いです。
特に「仲間」として彼らに認められれば困ったときなど、率先的に協力してくれるでしょう。
しかし一方で、夏祭りをはじめとしてBBQやキャンプへの誘いなどイベントに誘われることも多く、出費がかさむのは確かでもあります。
余談ですが、全てのマイルドヤンキーがEXILEや安室奈美恵、西野カナが好きとは限りません。
むしろ、彼らがネットでの風評を含めたマイルドヤンキーというものを知っている可能性が高いです。
不用意にステレオタイプにはめ込むのは心証を悪くされます。
たとえば自分から公言してきたり、「うちマイルドヤンキー入ってる?」とか尋ねられた時は─
「えー、そんな風には見えないけど?」と優しくとぼけるのもアリです。
まとめ
・マイルドヤンキーは大まかに3種に分類できる。
・基本的にマイルドヤンキーはコミュニケーション能力が高く、場の空気を読んだり気遣いができる人が多い。
・しかし、それがために内向的な人にとっても「空気を読んで当然」という同調圧力をかけてくる場合がある。
・ちょっとだけ親しくなるだけで「おめー」「ムカつく!」等、乱暴な言葉遣いをされる。それは語彙が少ないから。まず悪気はない。
・苦手に感じたら自分が内向的な人間、人付き合いが苦手であると、しっかり伝えましょう。たぶん察してくれます。
・どうしても合わないと感じるならば、思い切って距離を置くのも手。ただし地方では孤立する場合もあり、他に(ネット等でもいい)逃げ場を作る。
いかがだったでしょうか?
マイルドヤンキーの特徴と接し方について、内向的な人間の視点から書いてみました。