深夜の散歩は、住み慣れた街が別の顔を見せてくれます。
特に地方都市では人も車もまばらで、自分だけがこの世界にいるような感覚にもなるでしょう。
懐中電灯を持って、町や河川敷を歩いたり……。
感覚が研ぎ澄まされたようにも感じて、何とも言えない高揚感が得られます。
月を追いかけたり、天体観測も良いでしょうし、行先を決めず歩くなんてのも乙なものです。
生まれ育った町に今もお住まいならば、思い出を辿ってみて感傷的な気分になったり。
しかしながら、深夜散歩は全ての方におススメする内容ではありません。
男女を問わず、深夜の散歩は犯罪被害に遭うリスクがあるのは言うまでもありません。
また未成年の方は、お住まいの地域の条例等で深夜間の外出は禁止されています。
できれば安全な散歩を心がけるのがベストなのでしょう。
ですが、心が疲れている時や、追い詰められている時には「ここではないどこか」を求めたくなるのは人間の性ではないでしょうか。
暗闇を歩いて家についた時の何とも言えない安心感も格別なものがあります。
女性の方や未成年の方には「深夜散歩」に行った気分になる楽曲も年代別で紹介させていただきます。
以上の内容でお届けいたします。
よろしければお付き合いください。
なぜ深夜の散歩は心が研ぎ澄まされるのか(体験談)
恥ずかしい話ではありますが、私はずいぶんと長いこと深夜や、夜明け前の散歩を趣味にしておりました。
眠れない夜や、徹夜明け、あるいは早く目が醒めてしまった時など、愛犬を連れて真っ暗な闇の中を散歩するのが好きでした。
闇の中では心が研ぎ澄まされるような感じがしました。
鬱々とした人間関係も、暗闇で歩くときには大したことじゃないように感じるものです。
それはたぶん、人間に備わっている「暗闇は危険だ」という本能が発揮されるからでしょう。
些細な人間関係よりも、たぶん闇の方が生存本能を脅かされるのでしょう。
五感は研ぎ澄まされ、生きている実感さえ感じられるほどです。
私は地方都市に住んでおりましたので、繁華街を外れてしまえば夜の町並みはそれはもう寂しいものです。
都会在住の方はそれほど暗闇を意識することはないかも知れませんけれども。
人とも車ともほとんど会うこともなく、自分ひとり(と犬)だけが、ぽくぽくと夜道を歩いて行くのです。
深夜から夜明け前なので、たまに新聞配達のバイクとすれ違うくらいで。
街灯もないところを歩くと本当に闇の中で、感覚が研ぎ澄まされて行くのが分かります。
河川敷などですと、けっこうなスケールの星空を見ることができたりして、田舎ならではの景色を楽しむことができます。
そこに人の姿が見えないのも、個人的にはとても心地よかったりしたものです。
闇の中は居心地がいいけど
醜い物が見えないだけだ
引用元:『夜歩く』筋肉少女帯 作詞:大槻ケンヂ 作曲:三柴江戸蔵
イヤホンで音楽を聴きながらの散歩は危険なので、決してオススメはしません。
事故に遭う確率も増しますし。
けれども、どうしようもなく心が疲れてしまった時には、音楽を携えて街を歩くとすごく心が癒されるものですよね。
窮屈な世の中、キレイごとだけじゃ息苦しくて仕方がないでしょう。
もっとも、最近では音楽を聴きながらでも周囲の音が聞こえる「ながら聴き」イヤホンなんてものもあります。
深夜散歩の危険率と早朝散歩をオススメする理由
深夜散歩は犯罪等に巻き込まれる危険もあります。
繁華街では酒に酔った狼藉者や、不良に絡まれる。
一方、郊外や田舎では精神的にヤバい人と遭遇しないとも限りません。
私の十数年の深夜&早朝散歩歴を振り返ってみますと、深夜に散歩していて不審者に会ったことは数回あります。
幸いにして危害を加えられることはなかったですが、肝を冷やしたのは覚えています。
ひょっとしたら向こうも同じく肝を冷やしたのかもしれませんが。
繁華街はあまり行かないので、職務質問されたことはありませんでしたね。
が、夜が明ける直前か直後の早朝散歩ですと、危険性はあまり感じられなくなります。
もちろんお住まいの地域の事情もあるでしょうし、不審者はいつ何時現れるやも知れません。
単純に確率の問題ですが、明け方の散歩では危険を感じたことはほとんどありませんでした。
ただ、土曜日や祝日の明け方ですと、騒いでいる若者グループなどを見かけたことはありました。
年代別・深夜散歩した気分になる曲について
深夜散歩は、決して万人におススメできるものではありませんけれども、雰囲気のある音楽を聴くことで「深夜散歩に行ったつもり」になることは意外と効果的なものです。
人間はけっこう想像力が働きます。
また、ジャンルを問わず夜歩きを歌った楽曲も結構あります。
個人的には明け方散歩にはピロカルピンの暗夜行路(12年)などを聴いておりました。
ヒットチャートに入るようなシングル曲にはあまりない印象ですが、夜歩きはミュージシャンの感性を刺激するのか、調べてみると意外と多いものです。
興味のある方は、ご自身が好きな歌手やミュージシャンのアルバム曲から探してみるのも楽しいかも知れません。
アマゾンミュージックなんかでも「夜に聞きたい曲」みたいなテーマで紹介したりしていますので、聴いてみるのも良いでしょう。
最近、読者の方よりThe Band Apartの『夜の向こうへ』を紹介されて、聴いてみたところ不覚にも泣きそうになってしまいました。
土着的な夜の歌と洗練された夜の歌
大まかに分けて、夜を歌った曲には三種類に分類できます。
・鬱屈した感情を歌詞やメロディに込めた「感情発露」な楽曲。
・都会的に洗練された「サラッとした」楽曲。
・澄んだ空気感や静謐(せいひつ)な雰囲気を織り込んだ「幻想的な」楽曲。
同じ「夜」を題材にしても、作り手の資質や表現の意図で、ここまでクッキリ違う楽曲が仕上がるのは、興味深く思いました。
もちろんミュージシャンの表現スタイルや音楽の方向性などもあるのでしょう。
けれども、こうも仕上がりがクッキリと分かれる題材も珍しいのではないかと思います。
番外編『ナイトライダー』という曲について
余談ではありますが、ジャンルの異なる様々なアーティストが、『ナイトライダー』という同タイトルの曲を発表しています。
タイトルは同じでも、それぞれ曲調が全く異なっているのが興味深かったので、番外編として追記します。
ガールズグループのEspecia(エスペシア)の場合、80'sディスコ風サウンドの楽曲となっています。
銀杏BOYSの楽曲では、シンプルな歌詞とサウンドが印象的です。
他にもくるりとリップスライム、シンガーソングライターの平林純による、しっとりとしながらも毒気も感じるアコースティックサウンド。
シンガーソングライターでは、サナダヒデトにも同名曲があります。
20年にデビューしたスリーピースロックバンドひかりのなかにの、爽快感のある『ナイトライダー』も最近、印象に残りました。
『ナイトライダー』ではないですが、スピッツの『夜を駆ける』とYOASOBI『夜に駆ける』も、大ざっぱにナイトライダー群としてみるのは乱暴でしょうか。
まとめ
夜の散歩について、まとめてみました。
たとえ夜出られなくても、窓際やベランダでそれっぽい音楽をかけてみるのも一興です。
研ぎ澄まされた感覚に身を任せて、人間関係や日常の些末なことを忘れてみるのも「いま辛い」人には効果的かも知れません。
久しぶりのブログ更新でもあったので、少し戸惑ってしまいましたが、ここまで読んでくれてありがとうございます。