2月14日はバレンタインデーです。
日本では「女性から親愛の情をこめてチョコを贈る」という独自の風習でおなじみです。
リア充のイベントとして、非モテからは忌み嫌われているバレンタインデー。
スクールカースト上位と下位では、全く印象の違う文化ではないでしょうか。
全軍経験者である私が、それぞれのチョコとスクールカーストで全く異なる印象を考察しました。
また、各年代によって異なるバレンタイン事情についても掘り下げてみました。
個人的な痛い話や失敗談も併せてお楽しみください。
スクールカースト1軍2軍3軍で変わるバレンタイン事情
イケメン、リア充のスクールカースト上位者たちにはお楽しみイベントです。
本命のいない一軍女子もドキドキしながら義理チョコや友チョコを準備したり…。
教室のど真ん中で交わされる明るい声。
「ハイこれー」
「おお、ありがとなー」
広がる談笑の輪…。
一方、その様子を静観するのは2軍男女。
でも教室の目立たないところや部室で密かにチョコのやり取りしたり。
本命に告白して彼氏彼女になってしまったり。
「ほどほど感」が信条の2軍男女だって、心が浮き立つ日なのは間違いないでしょう。
しかしながら、若者の恋愛離れが言われる昨今、以下のようなデータが出ています。
バレンタインデーに告白したことがある女子高生は15% 好きな男性に本命チョコレートを渡すという文化はもはや古いのか!?女子高生のバレンタイン平均予算2,700円!
引用元:プレスリリース記事より 株式会社エイチジェイ「高校生ラボ★47」
時代が変わろうとも、3軍男子にとっては2月14日は憂鬱な一日であるかもしれません。
中学時代の私も含めてこの層の男子は自意識過剰だったり、バランス感覚を欠いた人も多いものです。
変な期待や妄想をして必要以上にガッカリする者もいるでしょう。
自分でチョコを買った挙句、妄想の中で非実在のヒロインからプレゼントされるなんてことを思ってみたり。
女子の3軍は気の合う仲間同士で、ひっそりと友チョコを交換したりすることもあるでしょう。
料理好き3軍であれば渡し手のない手作りチョコに邁進してみてたり、空気を読まずに突撃してみたり。
家族に渡したりも当然するでしょう。
二次元に恋するオタク女子は好きなキャラに本命チョコを捧げるのでしょう。
余談ですが、私のマンガ仲間で真田信繁(幸村)を愛する女子はベルギーの高級チョコを持参して、真田家の菩提寺である長野県松代の長国寺まで行ったとか。
そもそも何故チョコを贈るのか?
諸説はありますが、昭和11年(1936年)に神戸のモロゾフ製菓が出した広告が起源のひとつ※と言われています。
※森永製菓説、伊勢丹説、ソニープラザ説、メリーチョコレートカムパニー説等があります。
しかしお菓子会社はキッカケに過ぎません。
バレンタインにチョコを贈る文化を日本に根付かせたのは、小学校高学年から中高生のかけてティーンエイジャーでした。
本格的に「バレンタイン=女性がチョコを贈る」文化が定着したのは70年代です。
義理チョコ、ホワイトデーも含めた現在の形として完成したのが80年代前半でした。
よほど十代の心にフィットしたのでしょう。
「好きな人にチョコを贈る」という甘いイベントは、ラブコメ漫画や恋愛ドラマなどでもしきりに取り上げられました。
チョコという身近なお菓子で恋愛イベントが楽しめる。
テレビCMも作りやすい。
洋菓子店でもスーパーでもコンビニでも売っているので、義理チョコや本命チョコなど、用途に合わせてお店を選ぶこともできる。
だから一過性の流行に終わらず、日本で定着したのでしょう。
現在では日本のチョコレートの年間消費量の2割程度を消費する国民的行事となりました。
大学生は平均何個くらいチョコをもらうのか?
17年の記事で、しかも対象が大学生ですが参考までに載せておきます。
■去年、だいたいどれくらいの数のチョコをもらいましたか?
第1位「0個」152人(37.3%)
第2位「1個」83人(20.3%)
第3位「2個」78人(19.1%)
第4位「3個」40人(9.8%)
第5位「4個」15人(3.7%)引用元:マイナビ学生の窓口 チョコって何個もらえるのが普通? 男子大学生の去年の戦績は悲しい結果に【バレンタイン調査】
もちろん学校の雰囲気や所属するサークルによっては数は前後するかと思います。
※90年代~00年代にかけて、マスメディアを通じてそのような価値観がありました。
「恋愛って最高! 彼氏彼女がいるのって最高!」
「モテない奴はダサい」
と言うような恋愛至上主義、リア充至上主義は、今や多様化した価値観の一つの選択肢でしかないのが時代の流れです。
もっとも今の30~40代以上の方は、リア充至上主義を引きずっている人は多いですけれども。
1軍にとってのバレンタインデー
もちろん年代によってイベントの詳細は異なるとは思います。
スクールカーストなど感じないような仲の良いクラスでは、ほとんど全員にチョコが行き渡ったりします。
学校によってはチョコ禁止のところもあるでしょう。
本命チョコを手に、放課後の自転車置き場で待ち伏せして渡したり…。
女友達に見守られながら部活帰りの彼に告白してチョコを渡してOKしてもらったり。
逆にフラれてしまって皆して本命チョコを食べる! なんてこともあるかも知れません。
あるいは男子そっちのけで友チョコパーティに興じるのも楽しいでしょう。
男子から女子に逆チョコをもらって「おおー」ってなることもあるかも知れません。
何にせよ書いてる方が恥ずかしくなるような素晴らしい青春の1ページが鮮やかに彩られているはずです。
中には生活指導の教員にチョコを没収される気の毒な方もいるかもしれませんが。
それを含めても振り返った時に良い思い出になるのでしょう。
これはマンガ的に極端な例になってしまいましたが、義理チョコが定着し出した80年代後半に高校生だった人に聞いてみたところ…
クラスに1人か2人チロルチョコや5円チョコを全員に配る世話好きな女子がいたとのことです。
このタイプの人が当時の価値観のまま大人になると、職場に義理チョコ文化が起こることもあり得ます。
2軍にとってのバレンタインデー
人数的には一番多い層ですし、性格や価値観も多種多様な人たちなので、一概に「コレ」とは言いにくいですね。
別記事でも何度も書いていますがスクールカースト2軍の特徴は「ほどほど感」です。
2軍の中にもウェーイwな人もいるかもしれませんが、どちらかと言えば控えめな印象です。
1軍の盛り上がりをよそに、2軍は部室や仲良しグループなど、それぞれの場所でチョコを渡す。
気心の知れた仲間同士でチョコを渡す光景もあるかも知れませんが、基本的には大人しいものかと。
中にはバレンタインなんて意識しない人もいるかもしれません。
2軍男女については、あまりにも幅が広すぎる上に、人によって状況が異なります。
スクールカースト2軍の特徴などは以下の記事にまとめました。
ここで実例をひとつ。
私がひいきにしている蕎麦屋さん夫婦も※2軍出身(※本人談)だそうで、高校の同級生同士で結婚したそうです。
馴れ初めは部活が一緒で、2年の時のバレンタインデーに義理チョコを渡したつもりが本命チョコと勘違いされ、逆に告白されたとか。
本人によれば「クラスでは目立たないけど暗いグループでもない」タイプだったそうで、在学中は交際しているのも隠していたそうです。
3軍にとってのバレンタインデー
乱暴な言い方になってしまいますが、3軍の特色として自意識過剰の傾向があります。
普段は教室の隅で目立たない彼らでも、脳内は暴走状態MAXの人がちらほらと存在します。
思春期の妄想が妖怪のように取り憑いて、思考回路がメチャクチャな者も少なくありません。
なので、誤解をおそれずに言えば3軍こそ「最も過剰にバレンタインを意識する層」と言えるかもしれません。
・自分の机の中を何度もチェックしてしまったり。
・休み時間に席をはずしてみたり。
・下駄箱(フタがあるタイプ)を開けるときにソワソワしたり。
この辺りは、一般的にあるでしょう。
重症者になると、妄想はエスカレートしていきます。
・血のつながっていない(架空の)姉や妹からチョコをもらった妄想に溺れてみたり。
・母親からもらったチョコを、好きなアイドルからもらったという設定に脳内で転換してみたり。
・自分で買ったチョコを翌日学校に持って行って「別の学校の女子からもらった」とウソの自慢したり。
もちろん孤立してしまった人はそれどころではないかもしれません。
かろうじて友達のいる3軍は意図的にバレンタインの話を避けてみたり。
「お菓子会社の陰謀だ」と斜に構えたことを言う者もいるでしょう。
女子の3軍も基本的に自意識過剰なのは変わりがありません。
しかし、女性の場合ですと精神的な成長は同年代よりもはるかに早く大人になるでしょう。
同年代の男子たちが子供っぽく見えるのは1軍だろうと3軍だろうと女子なら基本です。
加えて女子特有の同調圧力というものもあります。
ただ、それでも過剰な価値観や思いに駆り立てられる女子も少なくないでしょう。
。・中にはファンの男性アイドルの所属事務所にチョコを郵送したりする人もいるかもしれません。
・好きなマンガの作者ではなく、キャラクター宛にチョコを贈る人もいるでしょう。
個人的には「好き」な気持ちに二次元も三次元もないと思っています。
まっすぐな「好き」の思いは、届こうとも届かずとも抱いただけで美しいと思います。
誰かや何かを好きにもならずに、適当に流行を追いかけているよりは、ステキなことだと私は思います。
全軍経験者のわりと壮絶なバレンタイン遍歴
さて、全軍経験者の自分語りですが、人によってはショッキングな挿話もあります。
もちろん決して「モテ自慢」のような意図で書いたものではありませんが、そういう印象を持ってしまう方もおられるかもしれません。
できるだけサラッと書いたつもりではいますが、不快に思われたらすぐに読むのをやめてください。
この項は読む人によっては不愉快に思うような記述が含まれています。
その点、何卒ご承知おきください。
1軍時代の甘い思い出(ハーレム編)
まず、小学生時代はカースト上位でしたので、高学年ともなるとバレンタイン前は騒がしくなります。
当時特に仲の良かった男子2名A・Bと放課後は毎日ゲームしたりマンガ読んだりして遊んでいました。
そんな中、2月13日クラスの女子グループの中心人物Cさんが私に囁きます。
「明日サトミ君の家にAとBを来させないでね?」
こうしてバレンタイン当日、Cさんの女子グループ7人が家にやってきました。
皆おめかししてチョコを持っていました。
「せっかくだから、みんなして食べよう」
お茶会をすることになり、父親がよく飲んでいたコーヒー豆を挽いて淹れて女子7名をもてなすことにしました。
すごーい豆から挽くんだ
「コーヒーとチョコって合うんだよ」
「ミルクと砂糖入れる?」
子供たちだけでディズニーランドへ卒業旅行に行く計画を立ててみたり。
内向的な人間でも、チヤホヤされると嬉しいものです。
ちなみにホワイトデーは7人にそれなりのお返しをしたので、ゲームソフトを買おうとに貯めてたお金が消し飛びました。
書いていて何とも言えない気持ちになります。
まさかこの後1年もしないうちに、彼女たちとの交友関係はおろかA・Bとの関係すら消し飛ぶとは、人生分からないものです。
自業自得ではありますが…。
人の心は本当に脆く、移ろいやすいものです。
3軍時代の激動のバレンタイン
1軍時代は「ただのカッコつけた地方都市の小学生」だった私が、中1の夏休みを過ぎると豹変します。
たまたま本屋で見かけた『月刊ムー』がキッカケでオカルトにどハマりしたのです。
学校でタロット占いに興じた頃までは、女子たちもキャーキャー言っていました。
しかし…
本気で世界から争いをなくす方法を考え、前世を信じ、陰謀論を語る。
目が隠れるほど前髪を伸ばし、魔方陣を描いたノートを持ち歩き、(邪気を感じた)校内の各所にお札を貼って回る。
確かに痛いんですが、人を傷つけたり迷惑をかけたわけでもありません。
カースト上位だった私は人間関係や同調圧力を甘く見ていたのでしょう。
気がついたらボッチになってしまいました。
ついたあだ名が「黒魔術師」
ファンタジー世界ならともかく、現代日本には意味のない称号です。
直接的ないじめ(暴力等)を受けなかった点は幸運でした。
どうして私がこのような衝動にかられたのかは理解に苦しむところです。
中二病の治し方については以下の記事にまとめました。
陰口は相当言われていたと思いますが、私は休み時間になると速攻でイヤホンを入れていたので聞こえません。
屋上に向かう階段の踊り場で、音楽を聴きながら本を読んでるだけの休み時間です。
実は、そんなに苦痛でもなかったんですよね。
本を読んで音楽を聴くのは友達と遊ぶのと同等か、それ以上に楽しかった。
決して強がりでも負け惜しみでもなく…1人で過ごすのは、心底性に合っていると気づいてしまいました。
もちろん中学1年のバレンタインは誰にもチョコをもらえません。
中学2年生時のバレンタインも同様かと思われました…が、クラスのイキった男子(ヤンキー系の1軍)から電話で呼び出されました。
「お前のこと好きだって女が駐輪場で待ってる。チョコ渡したいって」
罠だろうとは思ったのですが、淡い期待に抗しきれず、うっかり行ってしまいました。
すると…もちろんその場に女子などいません。
「信じてんじゃねーよwwww」
「黒魔術師にチョコ渡したい女なんているわけねーだろ」
あざ笑う男子数名。
私は悔しいというよりも、他人事のように感じてポカーンとしてました。
彼らがどうしてこんなことを「面白い」と思って笑っているのか理解できなかった。
ところがその1年後、本当に「黒魔術師」にチョコを渡す女子が現れました。
それまで一言も話したことのない1つ下の娘です。
私はいつも正門を避けて(苦笑)裏門から下校していたのですが、行動パターンを把握してるのか件の女子が待ってました。
地方都市の中学生なのでジャージ姿で、小さな紙袋を抱えています。
女の子らしいファンシーな奴じゃなくて、赤×黒のチェック模様みたいな、中二心をくすぐられるような紙袋です。
「これ、お願いします」
紙袋を差し出すと、もじもじしてます。
「どうもありがとう」
あまり会話は弾まず、気がつくと女子はプイッといなくなってしまいました。
家に帰って中身を見ると手作りチョコと手紙が入っていました。
手紙を読むと、便箋3枚くらいに女子のプロフィールや好きな本や音楽、画家などが…
びっっっっっっっっっ……しりと書き込まれておりました。
ただ、私のことが好きとかそういう文言はなかったように記憶しています。
「まあ趣味は…合いそうだな」
そして手作りチョコを一口かじると違和感が…。
ナッツにしては噛み切れないなと思ったら「爪」でした。
間違って入ったレベルではなく、意図的に入れたとしか思えない量です。
彼女のものなのか、そうでないのか知るよしもありませんが人間の爪を細かくしたものでした。
情けない話、自分も邪気眼系でありながらドン引きしてしまいました。
小学生の時は、よく女子たちが家庭科で作ったお菓子をくれたりしてたので、手作り料理に警戒感が全くなかったのです。
事を大きくしたくなかったので、親にも言えなかった。
以降その娘を避けるようにしていたら、卒業になってしまいました。
その後、二度と彼女を見かけることはありません。
顔も名前も覚えてないので、卒業後どうなったのか知るよしもありません。
どんな気持ちで、件のチョコを渡したのかも永久に知ることはないのでしょう。
何とも奇妙な、たった一瞬の接点でした。
そして2軍の高校時代。男子校だったので、バレンタインは何もなかったですね。
クラスでも野球部の人とかが、彼女いるいないの話はしていましたが、詳細は分かりません。
学校では話しても、放課後や休日に遊ぶような人間関係はなかったので。
勉強したり読書したり映画見たりゲームしたり、1人の世界に浸ることにガッツリとハマっていました。
本当に何もなかったので書くことがなくて困ってしまうくらい、バレンタインに関する恋愛イベントはありません。
その後、私がスクールカーストの呪縛から解き放たれるようになった経緯は以下の記事の後半部分に触れてあります。
まとめ
バレンタインデーとスクールカーストについて記事をまとめてみました。
かつては学校イベントの花形でもあったバレンタインと、スクールカーストのチョコ事情を考察してみました。
世代によって、2月14日への思い入れは様々でしょう。
ここ10年くらいでバレンタインデーは恋愛イベントから友人・家族イベントへとシフトチェンジしたので、
若い人は恋愛要素はあまり感じないかもしれませんね。
私の小学校から中学校時代はジェットコースター状態でしたので、落っこちた先に待っていた「爪入りチョコ」も忘れ得ぬ思い出です。
「バレンタイン 爪入りチョコ」で検索するとツイッターなどでは爪以外にも血液など色々な「ヤバいバレンタイン」が出てきます。
愛情なのか呪いなのか分かりませんが、当ブログの読者の中にもひょっとして爪チョコをあげたり、もらった経験をお持ちの方もいるかもしれない。
いびつな形になったとしても、「想い」そのものは肯定したいと思ったのが当記事を書くキッカケでした。
もちろん人を傷つけ、恐怖に陥れる犯罪であるストーカーなどは決して許されるものではありません。
それと生の血液を摂取するのは感染症等の原因になるので、絶対にやめた方が良いでしょう。
それでも、その根底にある「想い」のようなものの「核」は否定したくないと個人的には思います。
中二病を選んでクラスから孤立したことは現在では全く後悔していません。
ひょっとしたら、あのままリア充でい続けたら「ウェーイwww」な人間になっていたのかも知れないので。
痛い過去も、自分の内面を見つめる良いキッカケとなりました。
紆余曲折ありましたけれども、充実した人生を送っています。
痛い過去をお持ちの方も、心のありようでいくらでも未来を変えることができます。
脈絡もなく長い記事になってしまいましたが、これを読んだ方の心にわずかでも引っかかるものがあれば幸いです。