かつて一世を風靡した心霊写真も、今ではほとんど話題に上ることはありません。
スマートフォンと画像加工ソフト、SNSの普及によって、いつでもだれでも「やろう」と思えば心霊写真が作れて、不特定多数に向けて配信できるにも関わらずに、です。
「心霊」はいなくなってしまったのでしょうか?
様々な視点から「心霊写真」がすたれた理由と時代的な背景を考察します。
なぜ心霊写真はすたれたのか?
80年代~2010年代まで、4つの時代から時空を超えて巡り合った刻牢学園『オカルト研究会』の4人のメンバーが、心霊写真はなぜすたれたのか、その理由をいくつかに分類し、考察します
スマホ時代の心霊写真

心霊スポットで自撮りする十念 絵馬
◇いまこの瞬間にも、世界の誰かが撮った自然災害や事故などの決定的瞬間の映像や動画がSNSで拡散され、話題性の強いものはマスコミ報道などでもニュース映像として連日流されています。
◆その一方で、心霊写真そのものが話題になることは減っているように思えます。
もちろん人々の関心は一定数あり、SNSなどでも散見しますが、誰もが写真を撮れる時代にあって心霊写真の話題性は減少していると言えるでしょう。
そもそも心霊写真とは?
心霊写真は大きく3つに分類できます。
ポイント
①写真に心当たりのない顔や手などが映りこむ。
②雲のようなモヤ(エクトプラズム)や不気味な光が現れる。
③身体の一部が消えている。
◇かつて一世を風靡したオカルトブーム、とりわけ心霊写真はテレビ番組で取り上げられたり、雑誌や書籍として出版されたり、人々の関心をとらえてきた超常現象の一つでした。
心霊写真の黄金時代は?
心霊写真の歴史
実は写真の発明とほぼ同時に心霊写真も登場していました。
ココがポイント
写真機が発明されて間もなくの19世紀末の頃には、すでに心霊写真が話題になっていました。
霊能者や降霊術師と呼ばれた人たちが霊やエクトプラズム(※霊の姿がボンヤリと視覚化されたモノ)を記録するために写真技術を駆使していたと言われています。
史上初めて「写真で幽霊の撮影に成功した」人物
1860年代はじめ、米国のアマチュア写真家だったウィリアム・マムラーは、亡くなったはずの親族が映っている写真を何枚も公表し、一躍有名になります。

ウィリアム・マムラ―が撮影したとされる「心霊写真」
彼が撮った心霊写真の中でも有名なもののひとつが元アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンの幽霊を映したとされるものでした。
その後マムラーの写真は批評家から疑われ、詐欺行為の疑いで裁判にかけられました。
公判では写真界の有力者たちが「重ね写し」する手法について証言し、心霊写真のトリックの証拠を突きつけられる形となったマムラーは、結局は無罪となりましたが名声は失ってしまいました。
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心霊写真の注意点
意図しないで撮られた心霊写真の多くは、フィルムカメラ時代の撮影ミス(露光など)が原因のものが大多数を占めると言われています

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新たに忍び寄る『除霊サービス』の影
ココに注意
心霊写真がすたれたといっても、撮影した写真に奇妙なモノが写っていたりすれば、不安になるのが人間の心理です
祟りがあるのではないか、悪いことの前触れではないかと思ってしまうのではないでしょうか。
写真のデータを消去したり、神社でお祓いをするなど、心の不安を取り除くために何らかの手を考える中で、霊能者に除霊を依頼するという選択肢も上るのではないでしょうか。
霊媒師、除霊師の中には法外な金銭を要求され、トラブルになる事例も少なからずあります。
『除霊サービス』などをめぐる金銭トラブルを避けるためにできること
まとめ 心霊写真がすたれた5つの理由
①インターネットの普及にり、心霊写真のトリックを含めて、詳細な情報を調べることができるようになったから。
②その気になれば、画像加工ソフトでいくらでもリアルな心霊写真が作れる時代になったこと。
③デジタルカメラが主流になり、撮った写真をその場で確認できるため、変なモノが映りこんでもその場で削除されることも多く、「心霊写真」として残りにくいため。
④単純にカメラの技術向上で、「心霊写真」の原因となる撮影ミスが軽減された。
⑤テレビなどで心霊番組が流行らなくなり、人々の関心が薄れた。