こんな方におすすめ
- 好きな曲はあるけど、好きな曲を作ったアーティストのファンじゃない方
- 好きな歌手がいないの自分は変じゃないかと思っている方
- 新しい環境で自分をアピールするのが苦手な方
「好きな曲」はあっても、そのアーティストのファンとは限らない
「好きな歌手は?」と聞かれて、無難に「米津 玄師」「DAOKO」答えるけど、実は『打上花火』一曲が好きなだけ。
そんなに詳しいわけじゃないから、本当のファンの人と話を合わせるのは大変…。
このような経験はないでしょうか?
そんな自分は変じゃないかと思って、自身を卑下してしまったり…
最初に結論を言ってしまうと、少しも変ではありません。
少し屁理屈に聞こえるかもしれませんが、その理由を解説します。
入学前コミュニケーションと好きな歌手
SNSでの交流ならば、たいてい好きな歌手等についての情報はプロフィール欄に書いてあります。
これに対し、学校や職場などの人付き合いだと「好きな歌手は?」と聞かれる機会は多いと思います。
「合格しました!同じ学校の人、フォローしてくれたらフォロバするよ! #春から〇〇」
「〇〇」には進学先の学校名を、正式名称や通称で入れます。Twitterでは、ハッシュタグをタップするだけで、同じハッシュタグを付けている投稿を検索することができます。同じ進学先のアカウントがいたら、さっそくフォローしてつながります。「フォロバ」とは「フォローバック」、つまり「フォロー返し」のことを指します。同じ進学先のアカウントと相互フォローになるのです。
参考:ITライフchより「#春から〇〇!!」入学前にLINEやTwitterで知り合う中高生のコミュニケーションとは より引用
SNSのプロフィールで「○○が好き」と書かれていても、熱量には違いがあります。
年に何回もライブに行く人もいれば、ルックスが好みで曲はまあまあ好きな位の人、無難だからプロフィールに書いてみた等、まちまちです。
人は誰しもミュージシャンを熱狂的に好きなるわけではありません。
だからと言って、プロフィール欄に「好きな歌手はいません」と書いたら変人か中二病認定を受けかねません。
「好きな曲」はあっても好きな歌手がいない理由。それは少しも変じゃない事
ザックリと言ってしまえば、歌手やアーティストのファンになる気持ちは、その人やグループに対する興味と愛情でしょう。
一方で、単純に楽曲に対する「良い曲だなあ」という感情は、あくまでも曲に向けられたもので、作曲家や歌手に対する愛情とは別のものです。
好きな歌手がいないのは、曲を好きになる気持ちと歌手を好きになる気持ちにズレがあるからに過ぎないのです。
歌手やアーティストのファンも、「声がきれいだから」「歌詞が良いから」「メロディーが良いから」「生き方がカッコいいから」等々、理由は様々です。
これらに加え、定額制音楽配信サービスの充実で、「こんな雰囲気な曲」「こんな歌詞の曲」など、今聴きたい一曲がすぐに聴ける時代になりました。
今後、この流れは加速していくでしょう。
おそらく音楽ファンの間でも「好きな曲」はあるけど「好きな歌手はいない」人たちは今後増えていくと思われます。
作曲家の人物像を超えて自立する音楽
たとえば『G線上のアリア』という楽曲があります。
パッヘルベルのカノンもそうでしょう。
作曲家の名前は知らなくても、日本人であれば間違いなく何度も耳にしたことがあるメロディーではないかと思います。
約300年前の曲ですが、「日本人が最も好む旋律」とも言われ、留守番電話のオルゴールから携帯の着信音まで幅広く使われています。
もちろん、当時のヨーロッパでは音楽と言えば、まずキリスト教の宗教音楽であり、作曲家=芸術家という考え方は一般的ではありませんでした。
なので、後世の作曲家(ベートーヴェン以降)や、ポップミュージックの作曲家と一緒にするのは安易な考えとして疑問の声もあるかとは思います。
それでも、「 G線上のアリア 」や「カノン」が時を超えて多くの人の耳に心地よいメロディーなのは疑いようがありません。
あなたの好きな曲はひょっとして「カノンコード」?
ひょっとしたら、 好きな曲はあるけど、 アーティストに興味がない方の中には、このような王道の進行に心が揺さぶられる人もおられるのではないでしょうか。
こちらの記事ではJ-POP嫌いな人の特徴などを考察しています。
作曲家の人となり、楽曲ともに切り離せない「キャラが立っている」ショパンについて
たとえばショパンは「ピアノの詩人」と呼ばれる通り、ピアノ音楽の可能性を切り開いた作曲家として有名です。
陰のある情熱ともいうような美しい旋律は「この曲を作った人は、どんな思いでこんなメロディーを思いついたのだろう」と、ショパンという人となりについて想像力をかきたてるのではないでしょうか。<
『第3番ホ長調』 (別れの曲) 『第11番イ短調』 (木枯らし) 『第12番ハ短調』(革命)と呼ばれる曲も元々はピアノ練習曲として作曲されたものです。
誤解をおそれずに言えば、ショパンの楽曲が醸し出すイメージと作曲家の人間性や境遇が あまりにも合致しているように思えます。
言い換えるとショパンは凄く「キャラが立っていて」「自身の楽曲と合っている」 だから「アーティスト買い」してしまう作曲家なのではないでしょうか。
「キャラが立っている」クラシックの作曲家とポップミージックのスターたち
基本的にポップミュージックのスターはキャラが立っているわけです。
しかしキャラが立っていて魅力的だからと言って、すべての人の心に刺さるとは限りません。
何度も言うようですが、ファンの熱量も個人差が大きいので一くくりにはできないのではないでしょうか?
逆に、好きな歌手のイメージにファンが影響を受けるということもあります。
まとめ
- 好きな歌手がいないのはちっとも変じゃない。
- 人は誰しも熱狂的にミュージシャンを好きになるわけではない。
- SNSで「○○が好き」と書かれていても、熱量には違いがある。
- 今聴きたい一曲がすぐに聴ける時代、価値観は変わりつつある。
いかがでしたか。
「思いの強さ」「情熱」の熱量は個人差がとても大きいので、ファン同士の会話でも温度差があったり、かみ合わなかったりします。